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戦国異伝供書
第十話 朝倉攻めその十一

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「朝倉宗滴殿を倒す」
「そうせねばな」
「宗滴殿ですが」
 朝倉家に仕えたことのある明智が言ってきた。
「恐ろしいまでの方で」
「強いか」
「その采配もご自身の武勇もです」
 明智は自分に顔を向けた佐久間に答えた。
「まさに鬼神の如し」
「そうか、噂に聞く通り」
「そう、そして」
 明智はさらに話した。
「一度も敗れたことはありませぬ」
「まさに無敗か」
「上杉殿もかくやというまででしょうか」
「そこまでか」
「三十倍の数の一向一揆にも勝っていますし」
 明智は宗滴の数多くの戦の中でもとりわけ有名なこの戦の話をした。
「その他にも」
「幾ら辛い戦でもか」
「勝っています、ですから」
 それでと言うのだった。
「我等もです」
「用心せねばか」
「敗れます、ですから我等は殿のお言葉通り」
 信長、彼のというのだ。
「戦っていきましょう」
「そうじゃ、我等はじゃ」
 まさにとだ、柴田がここで応えた。
「殿のお言葉に従ってな」
「そしてですね」
「そのうえで戦ってな」
 そうしてというのだ。
「宗滴殿にも勝とう」
「そうすべきですね」
「三十倍の一向一揆に勝ったことは確かに恐ろしいが」
「しかし門徒達は只の百姓で武器は農具で具足は碌に付けていませんでした」
 竹中がこのことを言ってきた。
「そしてさしたる将もおらず」
「雑軍であったか」
「はい」
 このことを言うのだった。
「ですから」
「そのことも考えるとか」
「我等の様にです」
「しかとした軍勢で戦うとか」
「はい、そうすれば」
 如何に宗滴といえどというのだ。
「必ずです」
「押せるか」
「そしてやがては」
「勝てるか」
「そうなります」 
 竹中は諸将に述べた。
「間違いなく、十万の兵で囲むなり波の様に攻めれば」
「波というと」
 黒田、以前小寺官兵衛といったその彼が応えた。
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