第三十三幕:移り変わる虹
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も切り取る。とても楽しそうでいい表情だから、きっと七夏ちゃんも喜んでくれるはずだ。
心桜「見てて思ったんだけど、つっちゃーさぁ・・・もっと、こう真面目に・・・って、ゴメン!!!」
七夏「・・・・・え!?」
俺は勢いで撮影してしまった・・・七夏ちゃんの涙を・・・。
心桜「なっ、ま・・・つ、つっちゃーが泣くとは思わなかったから!」
七夏「え、えっと・・・」
俺も驚いた。七夏ちゃんは、悔し涙を流すタイプとは思えなかったからだ。
心桜「あたし、ちょっとつっちゃーの気持ち考えれてなかったよ。ごめん!!!」
七夏「そ、そうじゃなくて・・・その・・・」
心桜「え!? どういう事?」
七夏「ちょ、ちょっと、昔の事、色々と思い出しちゃって・・・」
昔の事・・・何があったのか俺は知りたいけど、七夏ちゃんが涙を浮かべる辺り、悲しい思い出なのだろう。本人にとって辛い思い出を無理に引き出す事なんて出来ない。俺は七夏ちゃんの笑顔を追いかけなければならない。
心桜「昔の事?」
七夏「はい」
七夏ちゃんはしばらく黙ったままだ。
−−−七夏の回想−−−
直弥「参った。七夏は『ぴよぴよ』強いな!」
七夏「お父さん! もっと真面目に・・・同じ色の小鳥さんを揃えて!」
直弥「え? そうしてるつもりなんだけど・・・」
七夏「時々、違う色の小鳥さんを合わせてるみたいだから・・・」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
凪咲「七夏、お父さんはね。七夏とは色覚特性が違うのよ」
七夏「しきかくとくせい?」
凪咲「七夏とお父さんとは、見えている色が違うかも知れないの」
七夏「え!?」
凪咲「七夏には七夏の、お父さんにはお父さんの世界があるの」
七夏「えっと・・・」
凪咲「七夏は、ピーマン苦手よね?」
七夏「う・・・はい」
凪咲「だけど、お父さんは、好きよね。ピーマン」
七夏「はい」
凪咲「同じピーマンでも、人それぞれ、受ける印象が違うの。それが個性なのよ」
七夏「・・・・・」
凪咲「大切なのは、自分には分かっても、他人はそうとは限らないという事。だから、自分が分かる事は支えてあげて、自分が分からない事は支えてもらって、そういうのが人なのよ」
七夏「はい☆」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
??「なんだその虹、おい! 水風の虹が変だぞ!」
七夏「え?」
心桜「あたしも、こう見えるんだけど!!!」
−−−七夏の回想−−−
突然、鳴り出した音に3人とも驚いた。放ったらかしにしていた「ぴよぴよ」のデモが、空気を読む事無く始まったのだ。
心桜「あーびっくりした!!! 背後から急に音が鳴るから」
七夏「くすっ☆」
時崎「七夏ちゃん!」
七夏「あ、ごめんなさい。大丈夫です☆」
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