第三十三幕:移り変わる虹
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昨日の出来事の違和感が取れない。七夏ちゃんの心が分からないまま、俺は七夏ちゃんと一緒にお客様への朝食準備を手伝っていた。凪咲さんと直弥さんは、既に朝食を済ませている。お客様が居る時は皆、別々に朝食を頂く事になっている。直弥さんがお仕事へ出掛けるようなので、俺は声をかけた。
時崎「直弥さん!」
直弥「時崎君、いつもありがとう」
時崎「いえ。先日お話してました、無線ネットワークの設置を行っておきますので、お部屋にお邪魔します」
直弥「そうか! ありがとう。よろしく頼むよ」
時崎「はい!」
七夏「あ、お父さん! これ!」
七夏ちゃんは、お弁当を直弥さんに手渡した。
直弥「ありがとう! 七夏!」
凪咲「いってらっしゃい!」
直弥「ああ! それじゃ!」
七夏「くすっ☆」
七夏ちゃんの様子が特に変わっているようには思えない。俺の知っている限り、いつもの七夏ちゃんだと思うけど、引っ掛かりはある。俺は七夏ちゃんに可愛いと話すことを躊躇っている。
七夏「? どしたの? 柚樹さん?」
時崎「え!? あ、いやなんでもない」
七夏「あ、おはようございます☆」
時崎「え!?」
後ろを振り返ると、お泊りのお客様が階段から降りてきていた。
時崎「あ、おはようございます!」
泊客「おはようございます」
七夏「えっと、朝食、出来てますので、どうぞ!」
泊客「はい」
俺は、泊り客が七夏ちゃんに対して「可愛い女将さん」と話す事を期待したが、それは無かった。もし、その時の七夏ちゃんの反応が俺の時と違ったら・・・と思ってしまうけど、他人に頼らず、なんとか自力で引き出すことは出来ないだろうか?
七夏「柚樹さん☆」
時崎「え!?」
七夏「後は、任せてください☆」
時崎「俺も手伝える事は手伝うよ!」
七夏「ありがとです☆ えっと柚樹さんは、お父さんのお部屋で用事があるのですよね?」
時崎「あ、無線ネットワーク機器の件だよね?」
七夏「はい☆ えっと、今日は、午後からここちゃーと笹夜先輩が来てくださるので、柚樹さんの用事も午前中の方がいいかなって☆」
時崎「確かに、早い方がよさそうだな」
七夏「くすっ☆ 午後からは、みんな一緒がいいなって☆」
時崎「ありがとう! じゃあ、早速、直弥さんのお部屋で用事を済ませるよ」
七夏「はい☆」
直弥さんの部屋に向かう。部屋の中に置いてあった有線のネットワーク機器に追加する形で、無線ネットワーク機器を追加する。これは、説明書に従って行えばそれほど難しくは無いが、二つの機器を見なければならない点と、無線ネットワーク機器のセキュリティーの設定が少し複雑だ。説明書を見ながら、自分の持っている携帯端末と、MyPadを登録して接続してみる。
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