第二章
第15話 決意
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った病人のような作戦参謀とはまた違う人物だ。やはり顔色は白いが、彼ほどではない。
そして、青の組紐で作った頭巾を付け、手には羽毛扇を持っている。
その恰好、どこかの軍師のマネだろうか?
いちおう中身は把握しておこうと思い、作戦の説明は聞いたが……。その内容には、やや不安を感じた。
せっかく敵を大きく上回る兵力があるのに、予定している布陣は本陣が薄すぎたのだ。
俺は将棋でも王将を深く囲うほうが好きで、穴熊の戦型をよく指す。
深く囲ってから序中盤で優勢を築ければ、逆転が起きにくい。自分の王将に王手がかかりにくいので、盤面のあっちこっちに注意を払わなくてもよく、判断ミスが起こりにくいからだ。
王将を深く囲わない戦型だと、攻撃力は高いが乱戦になりやすい。
しかも王手をかけられやすいため、優位に運んでいても、終盤に相手がこちらを幻惑する勝負手を放ってきて、それを受け間違えてしまいハイ逆転、ということが比較的多くある気がする。
今回は兵力も相手より多いだろうということなので、それを生かしてもう少し手厚く攻めたほうがよいと思うのだが。
説明を聞いていると「とにかく全力で攻めて勢いで圧倒しましょう」という感じに聞こえてしまう。不安だ。
うーん……しかし。
口を挟もうものなら、説明役の人に「だまらっしゃい」とか言われそうな雰囲気だ。
軍事に関しては、当然俺はど素人だ。
戦争を知らない子供たちの一人なので、余計な出しゃばりはしないことにした。
出発は明日。
軍議お開きのあとに、国王がこっそり「この戦いが終わったら、また肩車をしてほしい」と言ってきた。
頼むから死亡フラグを立てないでいただきたい。
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