盗めない宝石とか負けない愛とか人類はすぐに不変の何かを求めるけど、変化だってそう悪いものじゃない。と思う短編
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を秘めたあのザップでさえ対人では一度たりとも勝ったことがないライブラ最強の男、クラウスもまた人類最上位の一角。特にそのメンタルの強さたるや、英霊たちが己を恥じるほどの鋼鉄っぷりである。
「全てを粉砕する――軍神の剣ッ!!」
「ブレングリード流血闘術、117式!!絶対不破血十字盾ッ!!」
勝敗を決めたのは、ある意味、その一撃だったのかもしれない。
絶対不破血十字盾。クラウスの精神性を象徴するような、世界の何よりも硬い盾。時間という絶対的な法則さえ『固めた』それはエルダー級さえ砕けなかった人類最強の盾だ。恐らくこの光景を某デミ・サーヴァントが見ればレオニダスに次ぐ第二の盾先輩だと感極まったであろうこの技を、アルテラは何度も何度も破壊しようとした。
そして、出来なかった。
「そう、か……砕けないモノもこの世界にはある……私は、それを知っていた筈、なのにな……」
「……戦いながら、感じていた。貴公はもしや、破壊をしながらも心のどこかでそれを望んでいないのではないか?」
「それは、違うな。間違いも偽りもなく、破壊すべき文明は破壊する。それが私と言う存在。私というサーヴァントの本質だ。そこに疑いもなければ齟齬もない。ただ――」
「ただ――?」
「もしも。もし、この身がサーヴァントならざる何かとなって新たな生を得ることがあったのならば――破壊しない生き方をしてみたいと思うことは、ある。ただ、それだけの話だ」
「……………」
こうして、HL最初のサーヴァントによる事件は、犯人ことアッティラ・ザ・フンの消滅によって幕を閉じた。
――そう。
「ならば、破壊の人生ではない生き方を今から選べばいいと、私は思う。貴公――いや、君にそうしたいと思うだけの意志があるのならば、それに向かって進むことも出来る」
「しかし私は、どうしようもなく文明の破壊者だ。見よ、我らの周りを、広がる瓦礫の山を。これを築く存在であることを私は自ら認めているのだぞ」
「戦いのない人生という望みがあるのも確かな筈だ。ならば進むべきだ。光に向かって一歩でも進もうとしている限り、人間の魂が真に敗北する事など断じて無い――君が勝利すべきは、昨日までの君自身だ」
「何がお前をそうする。血か、立場か、文明か?」
「それに育まれたものもあるだろう。だが、今ここに立って喋る私をそうさせるのは、外ならぬ私自身だ」
「盾だけでなく言葉さえ砕けないな、お前は。そうか……それが、人間の生き方ならば、私は――」
例えその後クラウスが褐色の肌で白髪の少女をライブラに連れて行き、スティーブンに「正気かクラウス!?考え直せ!!」と盛大に怒鳴られても頑な
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