第一幕その六
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「私とドロシーは今は公務で都を離れられないし」
「そうなのよね。ベッツイはカエルマンさんの方に行っていてね」
「トロットは王立大学に行っていて」
「ロバのハンクとキャプテンビルもそれぞれ一緒で」
「二人がいないから」
「誰がいいかしら」
「魔法使いさんも今はクマセンターに出張中だしモジャボロさんもだし」
王宮にいる頼りになる人が今は一緒に冒険に行けないのです。
それでオズマもドロシーもどうしようかと考えました、勿論ジュリアも王宮でのお仕事があって冒険に行けないです。
それで、でした。二人はどうしようかと思ってここはかかしとブリキの樵にお願いしようと思いましたが。
ここでまたです、エリカが言いました。
「一人いるじゃない」
「一人って?」
「誰なの?」
「ほら、アン王女よ」
アン=アンヤコレヤだというのです。
「あの娘に来てもらえばいいのよ」
「それでなの」
「貴女の旅のまとめ役にっていうの」
「そうよ。私が選んであげるわ」
旅のお供にというのです。
「だからいいでしょ」
「また本人の都合聞いてないけれど」
「いいのかな」
「いいのよ。じゃあすぐに本人に言いましょう」
「わかったわ。けれど今回本当にね」
オズマはぼやきつつ形態を出して言いました。
「貴女の我儘とか思い付きが目立つわね」
「それで何か悪いことになってるの?」
「我儘さが気になるわ」
平然としたままのエリカに言うオズマでした、そしてです。
オズマはアンにもメールを送りました、すると快諾してくれたのでオズマはすぐに木挽きの馬に言いました。
「悪いけれどね」
「迎えに行くんだね」
「ええ。貴方に乗ればね」
それでというのです。
「ここまで風に乗ったみたいに来られるから」
「わかったよ。じゃあ今からね」
「アン王女の国に行ってきて」
「そうするね」
こうして木挽きの馬が行きました、これで後はアン王女が来てくれるだけとなりましたがドロシ―の足元にいるトトがふと言いました。
「そういえばつぎはぎ娘とガラスの猫は何処かな」
「あの娘達はハイランドとローランドに行ったわ」
「あの二国になの」
「そうなの。エメラルドの都の使者でね」
「それで今はいないんだね」
「それでね、私達も今は王宮を離れられないの」
沢山の人が外に出ているからです。
「それで今回の冒険もね」
「誰にまとめ役になってもらおうって困ってたんだね」
「そうなの」
まさにそれが為にというのです。
「それでだったのよ」
「成程、そうだったんだね」
「ええ。ただアン王女が行ってくれるなら」
「それでだね」
「安心出来るわ」
「そうだね。あの人もかなり冒険慣れしてきたからね」
「冒険に必要なものは全部持ってるし」
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