第一幕その一
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オズのエリカ
第一幕 悪戯猫の思い付き
エリカはエメラルドの都の宮殿に住んでいる猫ですが猫らしく気まぐれで我儘で悪戯好きな性格です。
それで今もです、宮廷のメイド長であるジュリア=ジャムに怒られていました。
「また悪戯をして」
「悪戯って?」
「そうよ、いきなり私を引っ掻いてきたでしょ」
宮殿の中でお仕事をしているジュリアにそうしてきたのです。
「それも急に」
「私の傍を通ったからよ」
だからと返すエリカでした。
「それで挨拶としてね」
「爪を出してきたっていうの」
「ほんの挨拶よ」
左の後ろ足で耳の後ろを掻きながら言うエリカでした。
「別に怒ることないでしょ」
「怒るわよ、急にそんなことをしてきたから」
「ジュリアは相変わらずすぐ怒るわね」
「私じゃなくても怒るわよ」
「そうかしら」
「そうよ。そもそも貴女はね」
さらに言うジュリアでした。
「その悪戯好きの性格を何とかしなさい」
「だから悪戯じゃないわよ、挨拶よ」
「それを自覚しないのが悪いのよ」
「やれやれめ」
「しかも我儘で気まぐれで」
エリカの子の性格についても言うのでした。
「それじゃあ皆に怒られっぱなしよ」
「私怒られても気にしないから大丈夫よ」
「そこで気にしないのが悪いの」
「あら、そうなの」
「そうよ。本当に困った娘ね」
ジュリアはむっとして言います、ですがそう簡単にどうにかなるエリカではなありません。それで、です。
この日も王宮で好き勝手に暮らしていましたがその中でビリーナと会ってこんなことを言われました。
「これからまたなのよ」
「あんたの国に戻るの」
「ええ、そうしてね」
そのうえでというのです。
「政治をしに行くのよ」
「あんた女王様だからね」
「皆のね」
その鶏の国のというのです。
「私が産んだ子供達から出来た国だしね」
「それでお子さんやお孫さん達の面倒を見るのね」
「そうよ、政治をしてね」
そのうえでというのです。
「そうしてくるわ」
「成程ね。あんたのお国ね」
「私が女王様で旦那さんがね」
「王様だったわね」
「よくいってるわよ」
お国の政治はというのです。
「とてもね」
「それはいいわね。けれど鶏の国ね」
エリカはビリーナのお話を聞いて思うのでした。
「何かいいわよね」
「物凄くいいわよ」
ビリーナはエリカに笑顔で答えました。
「こんないいものそんなにないわよ」
「自分の国を持ってその国を治めていくことは」
「そうよ。誇りを持ってしっかりと政治をすることはね」
「いいものなのね」
「女王として言うわ」
鶏の国のというのです。
「本当にいいわよ」
「そう
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