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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
29話:次の事業
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にはその制約は無いのでモジュール工法を採用している様だ。少数の艦隊でもある程度の制宙・制空能力を持たせるために戦闘艇を搭載するのは両者共通。モジュール工法が取れる分、叛乱軍の方が整備面を含めると運用コストも安上がりだろう。

人的資源の観点では250億:130億なので帝国有利だが、多くの領民がまともな教育を受ける機会がない事を考えれば、実質差がないか少し負けるかもしれない。まともな乗組員を育成するには生まれから考えれば平均25年はかかるはずだ。潜在的な乗組員の人的資源に関しては負けていると考えておいても良いだろう。

主力兵器は実現可能性を無視すれば相手を破壊できる攻撃力と相手に破壊されない防御力を備え、さらに相手より高速で移動できれば現場レベルでは満点だろう。運用の面で考えれば、より安く、より整備費用が安価で、必要とされる乗組員も少ない方がいい。そして長期目線では育成に25年はかかる乗組員がより生還できれば言うことは無いだろう。

ただ、新規参入で陥りがちだが、価格勝負で参入するのは悪手だ。設備投資もかなり必要なはずなので、収益化が遅れ、必要な投資が出来ずじり貧になる。なので価格は同等か少し高価でも他のポイントで既存の艦種に勝るものを提案し採用されればRC社としても軍としてもメリットがあるだろう。

攻撃力・防御力・高速性・運用コスト・乗員の生存性。ここで重要なのは乗員の生存性だ。どんなに高性能であっても、既存艦種の数倍も工期が必要では採用はされない。つまり工期は数か月という所だろうが、乗組員は育成に25年かかる。そう考えたときに思考のとっかかりが見えた気がした。

ビジネスの基本は選択と集中だ。つまり生存性を担保する重装甲エリア、ここに動力源も配置して、攻撃力を担保する部分の装甲はトータルで高速性を損なわないレベルにすればいい。そこまで考えたら、案外良い案のように思った。攻撃力を担保する部分は開戦前に連結してしまい、被害を受けて武装が使えなくなればパージして後方に下がる。そこに予備を用意しておけば作戦中の継戦能力も高まるのではないだろうか。当然、武装部分は大気圏突入能力もいらないから生産コストも安くなるはずだ。だた実戦での運用方法も従来の物とは異なるだろうし、戦術面での運用考察も事前に進めておきたいところだがどうしたものか・・。

現在、戦術家として実績がある人で伝手があるのは一人だけだ。まあ長期目線の話になるし、概要を送って意見をもらえないか打診はしてみるか。

『最前線と軍全体の両面から継戦力を高める戦闘艦構想』と表題を付けて俺は手紙を書き始めた。あの人も何だかんだ要領は良い。何とかなれば儲けものだしダメなら別の方法を考えればいいのだ。

宇宙歴763年 帝国歴454年 12月上旬
宇宙艦隊司令本部 シュタイエルマル
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