第一部 GI歴末からLP歴の終わりまで
第一章(CP4二周目、結末Bエンド)
第03話 ヘルマンの故郷を離れて
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飛び出して兵士となったマハの姉は何一つ後ろ盾がない。
売官なんて無理だろう。よほどの戦功を何度も挙げて、上からの推薦で士官になったのだろう。
士官学校卒ならともかく、三十歳で叩き上げの士官となれば出世の速度も遅くはない。
僕らが住むのは田舎の小さな村だから故郷に錦を飾るような存在ともいえるので少し驚いた。
「なあ、ビュートンって、やたら軍の細かいことに関して詳しいよな?」
目的地に向かいながら説明してるとマハが不思議な顔をで訪ねてくる。
「そういえば……そうだね??」
言われてみれば、そうだ。確かに本などの文字から知識を得るのは得意だ。
けど軍制について詳しいことが載ってある本なんて読んだことも見たこともない。
なぜか軍制に関する「情報」を生まれる前から知っているみたいだ――。
「おいおい。本人が不思議な顔するなよ。おっ、この先が官舎だ。早く行こうぜ!」
GI1015年 ヘルマン帝国 ゴーラクの南にある小さな村
「なあ……マハ、一緒にヘルマンを離れて……自由都市でさ、冒険者にならないか?」
年の暮れにゼナ叔母さんが亡くなった。
旅をしていて気づいたけど、黒死病と呼ばれる感染病が、東ヘルマンの農村から少しずつ西に広がりつつあった。
そして叔母が亡くなる少し前に僕の父親の戦死の報が村に届いた。
第一軍に所属する下士官だった父は「パラパラ砦の攻防」で死んだ。
母も、姉もいなくて、そして父もいなくなった。
生活の面倒をみてくれてたゼナ叔母さんも亡くなって。僕も天涯孤独の身となった。
「……軍人にはならないのか?
あのオッサンが面倒をみても良いって言ってたんだろ?」
マハの言うオッサンというのは、父の最後を村まで伝えに来てくれた無精髭を生やした騎士のことだ。
第一軍に所属する新任の小隊長で、父によって部下の命を救われたそうだ。
リーザスの有するパラパラ砦を攻めたヘルマン第一軍は、リーザスの精鋭である赤の軍によって撃退された。
殿を務めた父は味方を逃がすため、ぷちハニー爆弾を抱えて敵軍に突っ込み爆死した。
だから姉と同じで墓に埋める遺骨さえない。
「たしかにボドゥさんは一軍で面倒をみてくれるって言ったけど――」
続けて僕は言葉を濁しながら伝える。
「もしも僕らが軍で出世していくなら、|あの人【・・・】と……いつか出会うことになる」
(今のヘルマンは上が腐ってきてる。下手に才能を知られたら危険だ)
あの時に姉が伝えた言葉が、今になって鮮明に蘇る。
「…………」
マハは無言だ。異父姉のことを思い出しているのだろう。小さな身体が小刻みに
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