27話:堅物・腹黒・健啖の日常
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ろう。話を聞きたいし模範にしたいと思っていても、なかなか行動に移すのは難しい。未だに幼年学校の後輩たちが、ザイトリッツの日の参加者名簿を俺に持ってくるのはそういう意味でも場を作ってほしいという意思の表れだと思う。
そして少し打算もあるだろう。将来の軍の中枢を担う人材に伝手を持っておきたいという気持ちは、正直、俺にもある。ただ、これはあいつもわかっているはずだ。叛乱軍との戦争をしている昨今、軍人は必ずしも平均寿命が長い商売ではない。それに上官によっては功績を横取りされるし、門閥貴族の関係者の下に配属でもされたら素人の指揮で戦う羽目になる。当然戦死の可能性が高まるわけだ。
誰しも無駄死にはしたくないし、命を賭けてあげた功績を横取りもされたくない。そういう意味で、上位貴族の子弟で、優秀で、気前の良いザイトリッツの下で功績に見合った栄達をみな望んでいるのだ。
「テオドール、今回は私も例の権利を得られそうだよ。」
幼年学校からの同期が嬉しそうに声をかけてくる。
そうさ、みんな何とかあいつの傍に行きたいのだ。
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