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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
27話:堅物・腹黒・健啖の日常
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担当と昼食を予定しているとシュタイエルマルク提督に報告したところ、第51補給基地の各種設備が通常の配置パターンと異なる事を気にされた提督から、何か意図があっての事なのか確認してほしいと打診を受けた結果だ。すでに計画はされつつあるらしいが、イゼルローン要塞完成後に、この第51補給基地を大規模に改修し、艦隊の駐留基地にする話があるらしい。あくまで非公式の回答という事で、お伝えする了承を得たわけだ。

用事も済んだし、艦隊司令部に戻ろう。哨戒を終えてオーディンに戻れば、兄上の結婚式だ。弟とも相談して、祝いの品を考えなきゃな。


宇宙歴762年 帝国歴453年 4月上旬
首都星オーディン 帝国軍士官学校
テオドール・フォン・ファーレンハイト

「ファーレンハイト候補生、今年も実技は絶好調だな。引き続き励むように。学科がもう少し良ければ言うことは無いのだが。」

期初の定期試験が終わり、担当教官から結果が返される。これでまたザイトリッツの日に参加する資格が得れた。幼年学校をの5年間を首席で通した我が学友は士官学校に首席合格するや否や、勅命で建設されるイゼルローン要塞の資材調達を取り仕切るためにアムリッツァ星域の第51補給基地に旅立ってしまった。乳兄弟のパトリックも一緒にだ。何だかんだで一番幼年学校で一緒に過ごした二人だ。その二人がいないことに寂しさは感じるが、今は俺なりにあいつの役に立てればと思っている。

「ザイトリッツ特別候補生については、今期も首席だ。諸君も思う所はあるだろうが、希望者には彼のテスト結果とレポートの閲覧を許可するので、申告するように。」

そうこれだ。幼年学校からザイトリッツを知っている人間は当然だと受け入れるだろうが、面白く思わない候補生も複数いる。当初は心無い噂を話した候補生に、ザイトリッツを良く知る候補生が掴みかかる事案もあった。俺も喧嘩沙汰を起こしかけた一人だ。ただ、今はあいつをしっかり知ってもらう為のつなぎ役ができればいいと思っている。

年始には幼年学校も含めて、総合成績優秀者や各学科の上位者を通称ザイトリッツの日と呼ばれている会食にセッティングする事に奔走した。旨いメシを食べたいという動機もあるが、各学年の中心人物に理解者を増やしたいという思いもある。あいつには親父の不始末を処理してもらった恩がある。何とかできなければ、俺の代どころか子供の代まで極貧生活を余儀なくされる所だった。気にするなと笑って言われたが、こんな恩を受けて忘れられる人間はそうはいないだろう。

それに気さくで配慮を欠かさない奴だが、ルントシュテット伯爵家の3男だ。人づてで話を聞いても下級貴族や平民出身者には近寄りがたいものだ。まして幼年学校時代など5年間首席で通したのだ。後輩たちからすれば、身近に物語の主人公がいるような物だ
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