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DQ8 呪われし姫君と違う意味で呪われし者達(リュカ伝その3.8おぷしょんバージョン)
第二十話:逃げるは恥だが、役に立ちまくる
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ング……任せて良いか?」
取って付けた様な理由で脱出順番を決めてるウルフ殿……だが私の殿を言い付ける時だけ真剣な目になった……何だ?

「万が一何かトラブルがあった時は、後方からの敵襲をラングが押さえる……レディーファーストでリュリュさんを先に行かせても良いが、そうなると俺が貴女の後ろだ。俺に守られるのは嫌だろ? それとも嬉しい?」

「死んでも嫌!」
「ふっ……じゃぁ俺がリュリュさんの前で、次にリュリュさん。そして殿のラングって順番な」
何だろうか……ウルフ殿から、何としても私やリュリュさんより先に脱出したい意思が覗える。

とは言え誰からも反対意見は出なかったので、ウルフ殿の指示通りの順番で各自脱出を開始する。
自分の順番を待っていると、ウルフ殿が私に近付いてきて……「おいラング……外に出てリュリュさんが我が儘を言いだしたら、絶対に俺に同調しろ。これは宰相としても命令だ……背いたら処刑する」と私以外に聞こえない声で呟いた。

彼は性格こそ極悪だが、公私は分けている人だ。
けして地位を盾に他者を恫喝することは無い。
そんな彼が地位を言い出したのだから、絶対に何かあるに違いない。

処刑の件は脅しだとしても、逆らってグランバニアに帰還したらクビにはなるかもしれない。
それもリュカ様が納得する理由で……
逆らわない方が良いだろう。








着いた先は修道院の外にあった馬小屋。
一本道の抜け道は迷う事なく、無事に修道院の外へと脱出出来た。
先に脱出した方々は既に馬小屋の外に出ている様だ。ただ何やら騒がしい……

何かと思い、一瞬先に抜け道から出たリュリュさんと顔を見合わせる。
そして徐に馬小屋のドアを開け外に出る……
すると、そこには真っ赤に燃え上がる修道院の建物……いや、院長の住まいが!

「た、大変だ……い、院長!!」
事態の重大さに我を取り戻したククール氏が、悲鳴にも似た声を上げて修道院へと駆けだした。
それにつられる様に、アハト殿がククール氏の後に続くと、ヤンガス殿とゼシカ嬢も慌てて修道院へと駆け出す。あぁ、序手でにトロデ氏も。

「あ、あの道化師が……また院長を襲いに来たんだわ! 助けに行かなきゃ!」
アハト殿等と同じ事を思ったリュリュさんが、修道院へ向かおうと数歩動いた……が、それをウルフ殿が遮る。

「ちょっと退いて! 急がなきゃ院長が殺されちゃうでしょ!」
「そんな事は関係ない。リュリュさん……貴女を今あの場へ行かせるわけにはいかない」
彼は何を言ってるのだろうか!?

……そ、そうか。
先程ウルフ殿が言っていた『リュリュさんが我が儘を言いだしたら、絶対に俺に同調しろ』は、この事か。
彼はこれを予測してたから、脱出の順序も決めてたんだな。


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