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「さてクラウン上等兵。質問に答えてもらおう」
「答えられる事ならば、いくらでも話そう」
WBの尋問室。
ドロドロに融けたザクの前面装甲をレーザーカッターでこじ開け、外に連れ出されたクラウンは尋問室に連行されていた。
この場に居るのは黒いパイロットスーツを着たままのアベルとライフルを持った数名の下士官、そしてクラウンだ。
「まず一つ目。先の戦闘の目的は?」
「木馬の侵入コースをずらすこと。
可能なら、沈めること。
白いMSと灰色の大型戦闘機の鹵獲」
「それだけ?」
「俺が聞かされていた限りは…」
ふむ、とアベルが頷いて見せる。
「では次。君はサイド7襲撃の時からムサイに乗っていたか?それともパプアの補給人員か?」
「後者だ」
アベルはメモ帳にサラサラと書き込む。
「マゼランをやったのはやっぱりシャア?」
「大佐と、歩兵隊」
「君はその時何してた?」
「ザクの中で待機していた」
「なるほどねぇ…」
それからアベルは幾つかの質問をした。
シャアの今後の進路、ジオンの内情…
以外にもクラウンは素直に尋問に応じた。
尋問官が子供だった、というのもあるだろう。
尋問室ではカリカリというペンの音だけが聞こえる。
「えーと…じゃぁさ」
と前置きをしたアベルが尋ねた。
「大気圏に突っ込んだ時怖かった?」
「…………ああ」
クラウンが重々しく頷く。
「じゃぁ、最後の質問」
アベルがクラウンの正面に立った。
「シャアの事、どう思う?」
「くく…『くたばれ、さっさと燃え尽きろ』か」
アベルはクラウンの尋問を終え、独房に放り込んだ後、アブルホールとガンダムの整備をしていた。
「どうしたんすか副所長?」
「ザクのパイロットの尋問でさ、『シャアの事どう思う』かって聞いたんだよ」
「はぁ」
「そしたらあのクラウンってジオン兵すげぇ顔で言ったのさ『くたばれ、さっさと燃え尽きろ』ってな」
「ああ…彗星だから」
「そ、なかなかユーモアあるよね。
更に言えば、大気圏突入で燃え付きそうになった自分を助けなかったシャアへの当て付け、かな」
クスクスと笑いながら、アブルホールのパーツ交換を済ませるアベル。
赤いザクへの突進や大気圏突入など、普通の宇宙戦闘機なら何度塵と化していることか。
「はぁ、本当ならオーバーホールしたいけど、いつジオンが攻めて来るかわからないもんな…」
「そっすね…」
それは技術士官全員の意見でもあった。
「まー…一応異常無いから戦えはするんだろうけど…」
「中身はバラさな
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