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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
26話:ザイ坊と兄貴の日
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そんなに久しぶりとは思わなんだぞ。」

かなり久しぶりだが、スッとイスに座って兄貴と叔父貴にお酌をする。士官学校を卒業するまでは半人前なので、俺はまだ飲酒はしない。

「お酌の腕は鈍っておらんな。ザイ坊のお酌で飲む酒はまた格別じゃからな。」

兄貴も叔父貴も嬉しそうに杯を傾ける。料理は既に頼んでいるようだ。

「そう言われたら頻繁にお酌の機会が欲しくなるけど、なかなかね。兄貴と叔父貴のおかけもあってRC社は絶好調だけど、その分あまり頻繁に会うと、辺境を派閥化しようとしてると見られかねない。身分って時に鎖になるんだなあってしみじみ思うよ。」

おれがそう言うと、兄貴は寂しそうに笑った。

「私から比べれば伯爵家の3男坊はかなり自由じゃが、ザイ坊はとんでもないことをしておるからな。そう感じるのも無理は無かろうて。」

「まあ、やりたいことは明確にあるけど、家柄のせいでままならないからね。兄貴とおれはある意味同志だと思うよ。」

少し場がしみじみしたものになってしまった。ここは空気を変えよう。

「ところで兄貴、叔父貴には手紙を書いたけど、皇子妃様は子育てで忙しいんでしょ?気晴らしにうちの蒸留所でブレンドしたり、イゼルローン要塞の視察なんかをしてみたら少しは気晴らしになるかと思ってたんだけどどう?」

「うむ。良き話だと思ったのだが、手紙が来た頃合いで、また子供が出来てな。いくら放蕩者とは言え身重の妃をおいて遊びまわるわけにもいくまい?。来期なら何とかなるとは思うのだが。」

兄貴は申し訳なさそうに答えた。叔父貴も苦笑している。

「兄貴、そんな顔をされたら声をかけにくくなるよ。右腕やお小言は実際に要塞の建設現場を視察したんだけど、結構すごいみたいなんだ。期末に士官学校の卒業見込みの連中を案内するからそこで案内の練習をしておくよ。折角来てもらうんだから上手に案内したいしね。」

そういうと兄貴は嬉しそうな表情をしてくれた。俺はまたお酌をしつつ

「それでね兄貴。いつものザイ坊の悪だくみなんだけど、現場を視察した連中はみんななんか感じるものがあったらしいんだよね。これって陛下の偉業のひとつになると思うんだ。最終判断は視察してからでいいと思うけど。」

いったんそこで話を区切る。おれも小腹が減ってるからな、少し料理をつまむ。

「でね。何が言いたいかというと、とはいえ陛下がイゼルローン要塞まで出張るのは無理があるだろうからさ。完成を祝って、縮小版になるけどオブジェを作ってもいいと思うんだ。当然、強欲な方々は名誉欲も旺盛だろ?。たとえば完成を祝して献金なりなんなりした連中の名前をさ、金額が多い順で100人とか、オブジェの付属物に名前を刻めるとかいう話になったら面白い事が起きるかなあと思ってさ。」

そこ
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