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レーヴァティン
第七十話 セビーリアに向かいその一

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               第七十話  セビーリアに向かい
 久志達はセビーリアに向かう船に乗り込んだ、芳直はその船の中から湖を見てそうして仲間達に言った。
「北の湖とまたな」
「違うね」
「ああ、違うな」
 こう剛に応えた。
「北の湖は荒れていてな」
「波が高かったね」
「ああ、けれどな」
「こちらの湖はね」
「波が静かだな」
「それで落ち着いた感じだね」
「そうだよな、ただこの島も東の島もな」
 芳直は湖の青と銀の水面、波が光っているそれを見つつ剛に話した。
「陸地より湖や川の方が面積大きいよな」
「そうだよ」
「そうだよな、どっちも陸が三割でな」
「水が七割だよ」
「じゃああれだな」
 芳直は剛の話を聞いてこう言った。
「この島は水の島だな」
「そう言うんだ」
「ああ、水の浮島だよ」
 こう言うのだった。
「この島はな」
「そうだね、水の方が多いからね」
「そうだよな、しかしな」
「しかし?」
「水がないとな」
 どうしてもとだ、芳直は剛に話した。
「生きものは存在出来ないからな」
「当然人間もね」
「どんな産業もな」
「水が必要だしね」
「水がこれだけあるからな」
 それでとだ、芳直はさらに言った。
「豊かな島ってことだな」
「東の島もね」
「そうだよな、水はな」
「あらゆるものの源、こう言うとね」
「ターレスだったよな」
 芳直は彼の世界の知識のことから話した。
「万物の根源は水だったな」
「うん、実際はそこまではね」
「水は万物の根源じゃないけれどな」
「強いて言うなら原子だね」
「水も原子から出来ているしな」
 原子から分子が出来そうなる、水は化学記号ではH2Oとなる。
「そうだしな」
「そう、それでね」
「水も万物の元素じゃないにしても」
「それでもね」
「かなり重要な要素だよ」
 世界においてというのだ。
「間違いなくね」
「ないと誰も生きられない位の」
「地球だって水があってな」
「それで今に至るしね」
「そう思うとな」
「この島もこれだけお水があるからだよ」
「沢山の人が暮らしているんだな」
「一億はいるから」
「一億か、多いな」
 一口に言ってもとだ、芳直は剛に話した。
「そうなると」
「うん、かなり多いよね」
「その一億の人口を養えるだけの人がいるとなると」
 まさにというのだ。
「相当なお水が必要だけれど」
「そのお水があるから」
 だからだというのだ。
「水に浮かんでいると言えるね」
「そうだよな」
「ああ、じゃあな」
「じゃあ?」
「ちょっとな」
 ここでだ、芳直は。 
 釣り糸を出そうとした、そうして釣りをはじめて言った。
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