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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
25話:堅物の婚約
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に遊戯室へ向かうとお茶を飲みながらご歓談されている様だ。

「お待たせしました。ローベルト、参りました。」

「うむ。ローベルトよ、大事な話があるのだこちらに座りなさい。」

私が席に着くと父上は話を始められた。おばあ様と母上も少し緊張されている様だ。

「話というのはな、お前の結婚の件だ。方々からお話は頂いていたがこの数年、事が多かった。私たちもどのお話を受けるべきか悩んでしまってな。本来ならもう少し前に婚約して、そろそろ結婚というのが一般的だったがこういう形になってしまったのだ。」

父上は申し訳なさそうだが、第二次ティアマト会戦以来、当家はある意味非常事態というか本来の形を取り戻せていなかった。父上が予備役に編入され、領地経営に関われるようになった5年前にやっと本来の形に収まったという所だ。それを考えれば致し方ないだろう。

「父上、私は当家の非常事態を一番身近で感じながら育ちました。事情はよくわきまえております。」

「そうか、お前も長兄として皆の範たらんとしてくれていたな。苦労を掛けた。それでな、お話しを受けてもいいのではないかと思っているお相手はミュッケンベルガー家のビルギット嬢だ。リヒャルト殿下の一件も考えれば、門閥貴族と一線を引く方針は変更できぬ。軍部系貴族が団結する意味でも悪くない話だと考えている。」

「私たちもお茶会でお話をする機会がございましたが、よくできたご令嬢でしたわ。安心にてお受けできると存じます。」

父上の言葉を継ぐように母上が話を続けた。ミュッケンベルガー家の先代は祖父レオンハルト同様、第二次ティアマト会戦で戦死されていたはずだし、当主のグレゴール殿も士官学校を首席で卒業され、悪い評判は聞かない。リヒャルト皇太子が陛下の弑逆を計った容疑で死を賜った際、皇太子を担いでいた派閥の門閥貴族がかなりおとり潰しになった。婚姻関係を結ぶのもかなり慎重な判断が必要な状況だ。色々とご縁がある家だしお受けしても問題ないだろう。

「父上、良いお話をありがとうございます。ぜひお受けしたいと存じます。」

私がそうお答えすると、おばあ様も含め、ホッとされた様子だった。

「今更の事でもあるが、コルネリアスもザイトリッツも門閥貴族には思う所があろうし、RC社がこのまま大きくなれば向こうも利権を狙ってくるだろう。嫡男として色々と苦労すると思うがよろしく頼む。」

父上が私の肩に手を置いて頭を少し下げられた。眉間の皺は相変わらずだし、白髪も増えられたように思う。領地経営は資料では順調だがなにかと苦労されているのだろう。

「それとな、明言はされていないが領地経営のサポートも期待されておると思う。ザイトリッツはあれで身内に甘いから何も言わなくとも配慮はしてくれよう。ミュッケンベルガー家の領地は帝国
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