暁 〜小説投稿サイト〜
『A.H』
『愛しい』

[2]次話


強がる術を手に入れた。
強がることしか出来なかった。
強くなんてないから。
強がる以外の術がなかった。
無理をするしかなかった。

貴女は貴女自身を壊したの。
抑え込んだの。
そうするしかなかったから。

手に入れるだけじゃ無理だと知ったから。
何かを犠牲にしなきゃいけないと知ったから。

美しいモノを手に入れる為には犠牲が必要。
美しくないモノを見なきゃいけない。
美しくないことをしなきゃいけない。

そんな矛盾に苦しめられたね。
それでも立ち止まれなかった。
逃げることなんて赦されなかった。

見なかったことに知らなかったことにしよう。
心は逃げたりした。
たくさん傷ついてたくさん泣いた...。

それでも貴女は立ち止まらず進んだ。
それは貴女の優しさ。
貴女の愛だったんだろう。

すべてを背負う覚悟。
どんなに勇気がいることか。
どんなに苦しいことか想像もつかない。

貴女の笑顔が苦しかったときもある。
純粋に応援できなかったときもある。
もう立ち止まって良いよって思ったときもある。

それでも貴女は突き進み、私を生かせた。
貴女の想いや詩、声は命を救う。
あの日からいつだって貴女が愛しくてたまらない。



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