24話:特別候補生
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ました。良き機会をありがとうございました。」
ケーフェンヒラー男爵をはじめ、ロイエンタール卿・従士のフランツ・乳兄弟のパトリックが入室してきた。生で建設現場をみて感じるところがあったのか、少し興奮気味だ。
「なるほど、このメンバーでも感じるところがあるのであれば士官学校が要望している視察もあながち無意味ではないかもしれないね。さっきまでメルカッツ先輩が士官学校卒業前の視察の件で来られていたから。」
私自身は、折衝もあるのでアムリッツァ星域の拠点を動くことが出来なかったが、年末年始の休暇を前に、先ほどのメンバーには要塞の建設現場の視察の機会を設けた。正直、事業規模が巨大すぎて、現場を見ないと実感が持てないと思ったからだ。前世の記憶を基にすれば、巨大な建造物は男性の子供心をくすぐるモノだ。自分の目で見る機会はマイナスには働かないだろうと思ったが、見込み通りの効果があったようだ。
特にパトリックについては、俺の実務補佐という名目で傍にいるが、待遇については特段配慮されていない。試験対策については一緒に練れるので心配はしていないが、せっかく士官学校に上位合格したのに、そこで得られる経験を捨てて傍についてくれている。少しでもそれを補って欲しいので、要塞建設の現場視察のメンバーに加えていた。
「実務面で何か学び取るのは難しいかもしれませんが、任官する前にあれを見ておくのは無意味ではないかと存じます。」
おおう、お金の計算は大好きだけど、ロマンとか感傷とかにはあまり価値を見出さないロイエンタール卿ですらなんか目をウルウルさせている。まあ、自分たちが走り回ってかき集めた資材の集大成だからな。思う所はあるだろう。
「わかったわかった。そこまで言うなら、わたしも期末に視察できるのを楽しみにしておこう。先ほど決まった事だが、帰省に当たってはメルカッツ先輩も同乗される。あまり息抜きがお上手ではないようだ。先輩の好みを踏まえて、少しでもお楽しみいただけるように手配を頼む。言うまでもないが先輩は女遊びはあまりお好みではないのでそのつもりで頼む。
あとはルントシュテット領の件だな。今動き出している新しい案件は、私が提案したものがほとんどだ。提案者の責任としても。短期間の滞在だが出来るだけ自分の目で可能な限り確かめておきたい。あまり間がないがこちらも手配を頼むぞ。」
皆がうなずくのを確認してからケーフェンヒラー男爵のみ残るように指示をした。
他の3名が部屋から出ていく。
「それでザイトリッツ様、なにかお急ぎの話でしょうか?」
「いや男爵。あくまで相談の段階なのだが、そこまでイゼルローンが一見の価値ありなのであれば皇族のどなたかにご視察いただくのも検討の余地があるかと思ってね。幸い我らがフリードリヒ殿下は今年男子がお生まれになら
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