22話:けじめと大きな依頼
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「リューデリッツ伯はな、ある案件に関してRC社の力添えが可能か相談にみえられたのだ。私は会長に名目上名前を置いているが、実務はお主が把握しておる。そこで同席を頼んだ次第だ。」
「左様でございましたか、リューデリッツ伯、わが父をお頼り頂けたこと、非常にうれしく思います。どんなご用件でしょうか?」
リューデリッツ伯は一瞬私に視線を向けたがうなづくと話し始めた。
「実は陛下のご発案でイゼルローン回廊に要塞を新設することとなっておる。地表に建設するのではなく、直径60キロの人工天体を構築し要塞機能を詰め込むような形を予定しておる。昨年から各署に見積もりを出してもらいながら最終計画案を作成し、陛下にご内諾を頂いたのだが、今年に入って急に以前の見積もりから大幅な値上げを要求されてな。
クレメンツ殿下の取り巻きが何やら煽っているようなのだが、このままでは建設費が予算を大幅に上回る事は必定でな。すがる思いでルントシュテット伯にご相談した次第なのだ。」
「直径60キロの人工天体を建設し要塞とする。剛毅な計画でございますね。」
あのザイトリッツも目を見開いて驚いておる。
こういう可愛げをもっと出してくれてもいいのだが
「とはいえ、計画の概要だけでも確認しませんことにはお役に立てるか判断いたしかねるところですが......。」
「うむ。資料はこちらに用意しておる。お改め頂きたい。」
カバンから数枚に取りまとめられたものと分厚い冊子が取り出されテーブルに置かれた。
「機密の問題もございましょう。マナーに反しますがここで改めさせていただきましょう。父上、リューデリッツ伯のお相手をしばらくお願いいたします。」
そういうとザイトリッツはどこから取り出したのか電卓をカタカタと打ちながら資料と冊子を確認しだした。5分ほどだろうか、私が予備役に入って以降の後方支援部隊の動きなどを話していると、カタカタ音が止まった。自然と視線がザイトリッツに向く。
「建設計画書、しかと改めました。計画書とはかくあるべしと教えて頂いた思いです。このザイトリッツ、勉強させて頂きました。」
堅物のリューデリッツ伯がまんざらでもない顔をしておる。一体いつのまにこんな人たらしになったのやら。居住まいを正すとザイトリッツは話を続けた。
「現場責任者に確認が必要な部分がありますが、おそらくRC社でお役に立てると存じます。ただ、現段階で2点ほどお願いしなければならないことがございます。詳細をお話ししてもよろしいでしょうか?」
この流れで否というものはいないだろう。私は続きを促した。
「ありがとうございます。一点目は値上げを要求されている見積もりを正式に発行させ確保して頂くことです。資材の相場感から余程の不測の事態が無い限りRC社を使
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