第10話 決着
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「『反射術式』────────!!!!」
叫ぶシグに呼応して、シグの腕に刻印術式が走る。そして、その手をかざした空の銃弾が────シグの手前で跳ね返された。
「この手は────読めたか?『 』」
喀血しそれでもなお笑い、シグが言う。
────人類種に魔法は使えない。その絶対法則を、壊して見せた。
体内精霊を無理矢理吸い上げる刻印術式で、体内精霊、つまり己が肉体を体外精霊に変じて。それをそのまま『反射術式』に流し込む────その暴論を以て。
当然、それだけでは人類種が魔法を使うには至らない。何故なら魔法は、最低でも魔法適正を持ったものによる起動が必要だからだ。
だが────今のシグには、フィールとプラムがいる。シグの術式を起動し、そして維持し、シグの意思で発動出来るようセッティングする役目────プラムでは役不足だろうが、フィールならやってのける。
故にこそ、フィールはこれほどまでに早く削り切られたのだ。シグの刻印術式を起動しながら、それをゲーム開始以前から維持し続けていたのだ────『六重術者』と言えど、消耗を強いられて当然だろう?それこそ、不自然なまでにフィールが早く削り切られた理由である。そこまでして?────シグはこの一手を打ったのだ。
────本来は、シグが魔法を使う必要は無かった。
シグが魔法を使わずとも、ただフィールが魔法を使えばいいだけだ。むしろその方がフィールは本領を発揮出来た────どう考えても、シグの行動は理に適っていないのだ。
その証拠に、シグは魔法の負荷に耐えられず喀血した。身体そのものを溶かして魔法を使っているのだ────当たり前だろう。さらに言えば、フィールが消耗しきってからはシグが術式の維持を行っていた────つまり、空との一騎打ちになって以降シグは肉体を溶かされ続けていたのだ。
どう考えても、メリットはなくデメリットは大きすぎる選択。だが────シグはその手を打った。
────最後は自らの手で。自らの力で勝ってみせるのだと。
完全なる想定外を、その手を打って見せた。読めるもんなら読んでみろよ『 』────!!
そう、勝利宣言をして見せたシグの目に?────だが、あり得ない光景が映った。
────反射した空の弾丸を、後ろから放たれた白の弾丸が捉え、再び跳ね返す光景が。
「悪いが、脱落者は発砲禁止って|ル
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