暁 〜小説投稿サイト〜
ノーゲーム・ノーライフ・ディファレンシア
第9話 出鱈目vsデタラメ
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

フィールドを、無数の弾丸が駆ける。
空と白は、シグの残機を削るべく()()()()弾丸をばら撒いていた。
────シグの居場所が分からないうちは、集中砲火など望むべくもない。故に、全方位に弾丸を撃ち()()()()()()()()()()()()()()()()()シグの位置を炙りだそうとしているのだ。
撃った弾丸が物理を無視した挙動を取れば、その位置がシグの位置という事になる。幻惑魔法の担当がプラムなら、球が止まってもそれに気付かせない事は出来るだろうが────当然長くは持たない。
つまりシグを炙り出す事自体はそれほど難関でもない。いや、プラムがフィールの血を継続補給していればそれも危ういだろうが────()()()()()()()()。空はそう断じて、全方位への射撃を続けた。

「────へえ、ここでその手は確かに最善だな」

シグは、空の一手を素直に賞賛する呟きを漏らす。
魔法を一方的に使うアドバンテージがあってさえ、必勝の状況を作る事は許してくれないらしい。やはり『  』相手では、勝ち確などという単語は使えない────シグはそう再確認して、笑みを浮かべた。

────と、その時。飛翔した弾丸が跳弾し、乱反射してシグに迫った。

()()()()()()()()()、白の弾幕────その想定外の軌道に、プラムは幻惑魔法を追いつかせる事が出来なかった。
フィールの展開する防御術式が辛くも被弾を防いだが、プラムの幻惑魔法がかかっていないその空間は、止まった弾丸をしっかりと『  』に確認させた。

「にぃ、あそこ、いる……!」
「よしキタ、集中砲火だ!!撃てェ!!」

策を成功させた────空は博打に勝ったギャンブラーのように、意気揚々と叫んだ。そしてその声を皮切りに、空と白は一斉に弾丸を撃ち放った。
白の跳弾による弾幕はシグの移動を封じ、空の集中砲火は正確無比にシグを狙う。一方的に位置を把握しているアドバンテージを、シグは失ったのだ。弾丸がフィールの術式で防げるとはいえ、着実に不利を覆されている。ましてプラムは、体液補給がなければ魔法の連続使用も危ういのだ。
『  』は、確実に()()()()()()()()意図を持っている────そして実際に削って来ている。シグはそれを察して、何度目だろうか────獰猛な笑みに顔を歪めた。

「いいね、『  』────これじゃジリ貧だな、攻めるか」

そう呟いて、シグはエアガンを構え突進した。

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ