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戦闘携帯への模犯怪盗
NEVER ENDING:二人の怪盗
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さらよ」

 掴まれたままぽかんとするマズミに、ラディは苦々しげに言った。マズミは今、明らかに自分から屋上から落ちようとした。

「……なんで? あたし、ラディちゃんにたくさんたくさんひどいことしたんだよ? 死んじゃえばいいって、思わないの?」
「思ったわよ、何度も。あの夜も。この前も。……でも、それをやったら、私はスズやクルルクに顔向けできない」

 自分の人生に絶望してベランダから身を投げようとした自分をスズは助け、姉達なんて死んでしまえばいいといいながらそれはいけないことだ思う心をスズは見込んでヒーローと島キャプテンの役割を与えた。クルルクは与えられた役割のために頑張りすぎたり、過去に苦しむ自分にいつだって模犯怪盗として向き合ってくれた。

「……あーあー、ラディちゃんの目の前で落ちれば一生記憶に残るって思ったのになー」
「……うるさい、性悪女」

 目を逸らしていつもどおり嫌われることで関心を持たれようとするマズミをさっさと引っ張り上げる。

「そんなことしなくても、私は一生マズミ姉さんが私にしたことを忘れない。だから、今度合うときも私が勝つから。……またね」
「……ありがとう、ラディちゃん」
「レイ! 引き上げるわ!」

 最後の言葉は無視して、レイを一枚のサーフボードのような姿に変形させる。それに飛び乗り、ラディは怪盗乱麻として、見ている人全てに宣言する。

「私は全ての困難を断ち切る怪盗乱麻! 私に盗み出せない宝はない──よく覚えておくことね!」

 そう言い残し、ツンデツンデに乗って夜空を消えていく。夜空の向こうにはクルルクとリュウヤの姿が見えたが、今日は会うべきときではない。ただ、明日になったらリュウヤに挨拶してから、クルルクの住む孤児院へ行こう。そして、一ヶ月でどんなに自分が頑張ったか話して、私はあなたに負けないと言おう。その為に、まずは夜空に叫ぶ。

「帰りましょうレイ! 私達はこれから───模犯怪盗に負けない怪盗になる!」 








「うん……君からの予告、確かに受け取ったよ」

 夜空にてラディの叫びを聞いたクルルクは体を翻し、孤児院の方角へ向けた。彼女の戦いと言葉で気持ちは十分伝わってきた。今の彼女なら、姉達とも上手くやっていけるだろう。落ちようとするマズミの様子を察知したリュウヤがデパートの下へ飛んでいったのだが、その必要もなかったようだ。

「さて、帰ろうライアー。これからは、忙しくなりそうだしね」
「ライライアー」

 クルルクは夜空を飛びながら両手を広げ、天の星々に向けて自分たちを誇る様に謳う。

「アローラに二人の怪盗あり!模犯怪盗と怪盗乱麻、まだまだお楽しみは終わらないよ!!だって──僕と彼女こそが一番、この関係を楽しみにしてる
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