NEVER ENDING:二人の怪盗
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で轟音を鳴らしながら振り回すマズミに、ラディはツンデツンデを盾にして凌いでいる。それはある意味細身のカミツルギを剣とするリュウヤやラランテスの葉っぱカッターをトランプに貼り付けて投擲するクルルクよりダイナミックだった。
「ラディが今俺とアネモネと同じコニコシティに住んでいることは聞いているだろうが……最初はアネモネと関わるのを嫌がった。あいつは自ら訪ねてきて、あまり会いたくないから自分の家には来ないでほしいと。……当然だがな」
「自分を虐めていた、姉の一人だから……だよね」
「ああ、心情はどうあれアネモネが加害者であることに変わりはない。だからあいつも受け入れようとしたが……そこへ、マズミがスズと共に現れたんだ、それから──」
リュウヤは語り始める。この一ヶ月間で彼女達姉妹にどんなことがあったかを。そして今、どういう関係にあるのかを。
(……私は、この人を絶対に許せない)
デパート屋上。マズミが振り回すダダリンの猛威を、ツンデツンデの体を大きな盾にして守り続けながら気持ちを固める。
三人の義姉の中でも一番自分を苦しめたのがマズミだし、女の子らしい格好で人前に出ることにトラウマを抱えたのもマズミが自分のドレスをまだ小さいラディに無理に着せて似合わないと嘲笑ったからだ。
クルルクと一緒に過ごすようになった後も会う度嫌な気分にさせられた。勝手に体を触って好き勝手に大きくなっただのトラウマを傷つけるようなことをしてきた。
怪盗になると決めてコニコシティに引っ越したときも……わざわざ顔を出しにやってきた。
(私の気持ちなんてわかろうともしないで……アネモネちゃんはラディに酷いことしてないから許してあげてって……アネモネ姉さんとリュウヤさんの前で、私に向かって土下座までして……)
『あたしのことは、一生許さなくていいから。いつでも、どこででも、私のことを罵って頭を踏みつけても構わないから』と。自分を一番傷つけた人が贈る、心に折り合いをつけるための免罪符。
……なんて卑怯なのだろう。それを臆病が故に自分を助けず、虐めもしなかったアネモネの前で言われてなお頑なになることなんて出来なかった。
なし崩しに取り持たれたアネモネとの仲は、ぎこちないながらも大きな問題なく続いている。クルルクのもとを離れた一人暮らしは、彼女の助けが無ければもっと難しかったとも思う。だからこそ、それを助けようとしたマズミが許せない。
あれだけ自分を虐めて、辱めて、嘲笑った人が──ヒーローであることを辞めたい気持ちに気づき、それをクルルクの前でじゃれつくことで煽り。辞めてしまうことによって空いてしまう島キャプテンの座を代わりに務めることをスズと約束したなどと。
なんで今更、そう聞いても、マズミは相変わらず
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