NEVER ENDING:二人の怪盗
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イ…体を別々のところで動かすの、平気?」
ツンデツンデ内部が小さく発光し、マルの形を作る。
怪盗乱麻として初めての犯行に臨むラディは、クルルクが様子を見に行くよりも、警備が始まるよりも更に早くデパートに潜入していた。作戦の鍵となるのが彼女の相棒、ツンデツンデだ。
ツンデツンデは巨大な石垣のような姿のポケモンだが、その実態は小さな同じ生き物が集まってできているもの。その特性をラディは大いに利用した。
犯行を纏めると、このようになる。
まず昼間に何食わぬ顔で掘り出し物市場に行き、品物を見るフリをしてツンデツンデの一匹を商品に紛れ込ませる。
そして屋上に向かい、石垣のような姿を前もって決めておいた煙突のような形に変形させ、その中にラディは入り込み、犯行予告時間まで待つ。
時間になると同時、ツンデツンデがサイドチェンジを発動させ、ラディと商品に紛れ込ませた自分の体を入れ替え──ラディが言うべきことを言い終えた後、再びここに戻ってきたと言うわけだ。
「私は平気。ずっとレイがそばにいるんだもの、自分の部屋にいるのと同じよ」
昼間からおよそ五時間ほどラディはツンデツンデの中で待機しており、狭い空間の中で待ち続けるのは本来尋常ではないストレスがかかるものだが、ラディの表情に苛立ちはない。ひとえにツンデツンデとの信頼関係によるものだ。今も緊張は保ったまま、ツンデツンデの岩壁のような体に優しく手を当てている。
計画では後は警備員が去るのを待ち、自分の家があるアーカラ島へと帰るだけ、だが。
「まっくろどろぼうでておいでー!でないと警察つきだすぞー! ……うーん、でもどうせ出てきても突き出すからこれじゃ意味ないかな? ツンデツンデはそもそも体全体が目玉みたいなものだからほじくれないしね。とにかくはやくきて〜はやくきて〜」
屋上に響き渡る、無神経にとにかく思いつくまま口に出しているような声。その内容はラディがここに隠れていることを看破したものだったが、彼女の顔に驚きはなかった。
ものの見事に現場から退場し、これにて無事初めての怪盗としての活動は終了……とはならないことは、最初からわかっていたこと、むしろここからが怪盗になってやりたいことの本番だからだ。
「かくれんぼしてもお姉ちゃんにはお見通しだぞー!早く出てきてくれないと──煙突ごと潰すからね?」
「レイ、『鉄壁』!」
無邪気な声とともに、何か巨大なものが鳴動する音。同時にラディの指示でツンデツンデが体を硬化させる。
直後、お寺の鐘をハンマーで殴りつけたような凄まじい金属音とビリビリとした衝撃がラディを襲う。ツンデツンデは体をいったん分解し、ラディはその中から出て一気に後ろに下がる。
「ラディちゃん、みーっけた!あれ、今は怪盗乱麻って呼ん
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