NEVER ENDING:二人の怪盗
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なし……どう出てくる気だ、新たな怪盗め……」
警部が唸るように呟く。その直後、突如耳をつんざく金属音がデパート中に鳴り響いた。
「なんだ、警報ベルか!?」
「怪盗の襲撃か!?」
「落ち着けお前たち!これは怪盗乱麻の罠だ!どこから来るかわからん、周囲に気を配れ!」
音そのものはすぐに止んだ。素早い指示のもとガラスケースを取り囲んだ警官達が一斉に前方を警戒し、隙なく周りを見渡す。だが、怪盗はどこにも現れない。ついに予告時間になったその時。
「どこを見ているの?予告された品から目を離すなんて、随分雑な警備」
その声は、外からではなく警官達の中央から響いた。全員が振り向く。そこには、まるで忍者の様に黒装束に見を包んだ金髪の少女がガラスケースに座って【悪食王の胆石】を手にしていた。
「なっ……いつの間に!」
「一瞬あれば十分よ。サイドチェンジ、私のポケモンなら簡単だもの」
「何を馬鹿な……いくら高レベルのポケモンとてそんな事は不可能だ!」
「なんで?」
ショーケースに座ったまま、つっけんどんに聞く少女。
「サイドチェンジという技は、あくまで自分の近くにいるポケモンとの位置を入れ替えるもの。だがついさっきまでポケモンの姿は影も形もなかったし、そもそもこのデパートに不審人物がいないことは全員で確認済みだ!」
直接ポケモンを使わない警部とて、ポケモンを操る犯罪者を相手取る以上技の知識は十分にある。その指摘そのものは正しい。少女は口元で薄く微笑む。
「そう。なら今後もこのやり方でいけそうね」
「な……!?」
聞くだけ聞いて、答えは言わずに去ろうとする。驚く警部に、冷ややかな声で告げる。
「何? 私は模犯怪盗じゃないもの。あなたの疑問になんて親切に答えてあげない。私はどんな状況からでも獲物を盗み出す怪盗乱麻……それだけ覚えてくれればいいわ。じゃあね、間抜けな警部さん」
「……間抜けは貴様だ!宝を手にしたところで、我々に包囲された状態からどうやって逃げるつも……」
「じゃあ、さようなら。せいぜい次に盗みに来るときには対策の一つでも立てておけばいいわ」
そう言い残し──怪盗乱麻は、現れたとき同様、一瞬で消え去った。その場に、一欠片の黒いキューブを残して。
「ふう……上手く、いったねレイ」
先の冷淡ですらある態度とは裏腹に、自身の緊張をほぐすようなため息を付き、怪盗乱麻である少女──アッシュ・グラディウスは呟いた。
瞬間移動で現場から消え去り、今いるのは、デパートの屋上。
だが、その姿は屋上にいる警備員の目に映らない。
何故なら彼女のいる正確な場所は屋上の隅の煙突……に、擬装したツンデツンデの中だ。
「レ
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