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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
第百三十九話
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機が迫って、魔法力をそっちに割いている証拠だってね」
「箒って一夏が危ないときにはわかるって事ですか?」
「簡単に言えばね。箒ちゃんはきっといっ君が死にかけるのを何度も感じたんだと思う。
でもその感覚は私にはわかんないんだ」
「そんなの、わかる人なんていませんよ」
「普通はね」
暗に自分たちが普通ではない、と束は言った。
「箒ちゃんはいっ君に危ない事をして欲しくない。
きっと私達がいっ君に頼めば、いっ君はどこかで私達と静かに暮らしてくれる。
でも箒ちゃんが望んでるのは、そんな監禁じみた平和じゃない」
「だから、心を繋ぎ止めるんですね」
「そう。そのための鎖」
「箒にとっては、苦肉の策、なんでしょうか」
「うん。いっ君に自分だけを愛して欲しい。
でもいっ君に居なくなってほしくない。
箒ちゃんはそんなジレンマを私の存在で解決したんだよ」
「どういう事ですか?」
「いっ君が自分だけを愛してくれないのなら、それを楔や鎖としてもっと増やそうってね」
「でも、それって箒自身の気持ちはっ!」
「箒ちゃんはいっ君の事を誰よりもわかってる人間。だから、いっ君がどうして欲しいかわかる。私以上に。
箒ちゃんはね、いっ君を一人にさせたくないのさ。
今にも消えそうで弱々しい、そんないっ君の一面をしってるから」
「弱い? 『あの』一夏が?」
鈴にとっての一夏は、ヒーローだった。
異国の地で右も左もわからない自分を助けてくれた。
そして、自分と打ち解けてくれた。
そして、何かあれば守ってくれた。
その小さな小さな背中は、鈴にとって誰の背中よりも大きかった。
「いっ君だって、人間さ。支えてあげられる人が必要なんだ。
でも、いっ君を支えられる人ってすくないんだよ」
「アタシは、その少ない内の一人になれますか?」
「もうなってるよ。いっ君を好きでいてあげられたら、それだけでね」
束がエレンとリムを指差す。
「あの子達はいっ君と過ごした時間は君より少ない。でもいっ君はきっとあの姉妹の好意をうけいれるよ」
「…………」
鈴は隣のベンチでじゃれる子供達を見つめた。
彼女らが一夏を好いているのは、先の事を考えれば合点がいく。
「さぁ、鈴ちゃん。貴女の本音は?
いっ君とどうなりたいの?」
「アタシ、は。一夏と付き合いたいです!」
「ならそれが答えだよ鈴ちゃん」
「ふふ、『正史の私』が私を見たらなんて言うかな」
「束博士?」
「あ、ついでに教えとくさ、鈴ちゃん」
「はい」
「この世界って小説の世界なんだよ」
「はい?」
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