STAGE3-3:模犯怪盗の向こう側へ
[1/6]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
クルルクとラディと初めてのバトル。ツンデツンデを直接出し、『トリックルーム』で素早さを入れかえる戦術から生まれる異常な速度差によりクルルクは圧倒されて、ライチュウ一匹を残すのみにまで追い詰められていた。
(ラディのポケモンはまだ四体とも残ってる、だけどここまででその四匹ははっきりしてる)
グソクムシャ、ルカリオ、ハッサム、ツンデツンデ。攻撃力が高く、ライチュウよりも大きく速度が劣るポケモンたち。
「……いくらクルルクでも、この状況から逆転なんて不可能よ! レイが発動させた『トリックルーム』の効果はまだ続く! ハッサム、『シザークロス』!」
「それはどうかな。ライアー、『十万ボルト』!」
ハッサムが両鋏を交差させる。だがそれよりも遥かに速く──、ライチュウの電撃が、ハッサムの体を感電させ吹き飛ばした。
「え……!? レイ!『ロックブラスト』!」
「ライアー、『影分身』!」
大砲のように、照準を合わせ岩の砲弾を放つ。だがその速度はクルルクの目にもはっきり見てとれた。瞬時にいくつもの分身を作り出したライチュウの影を撃ち抜くに終わる。
そして本体は、ツンデツンデとハッサムのちょうど中心へ。
「『放電』だ!」
放射状の電撃は二体に避ける暇を与えず襲い掛かり。ハッサムを戦闘不能に追い込む。
「な……なんで! レイのトリックルームの効果はまだ切れないはず!」
「確かにね、だけどトリックルームの効果を解除する手段が一つだけあるだろう?テテフがゼンリョクで作ってくれた、君の戦術への回答だよ」
「まさか……」
トリックルームを解除する方法、それは。
【もう一度】トリックルームを発動すること。
何もできずに倒されたかに見えたテテフが残した、勝利への一手。
「だとしても! テテフはもう戦闘不能よ!グソクムシャの『であいがしら』をエスパータイプのライチュウは耐えられない!」
新しい戦術の根幹を崩されたラディの表情に焦りが生じる。それでもまだ勝つ方法はいくらでもある。『サイコメイカー』なしの状況で先制の強力な虫技を使えば確実に勝てると、装甲を身に纏ったそのポケモンを出す。
「確かに、耐えられない。でもそれは当たればの話さ」
「そうか、影分身が……」
「まだ分身は四体残っている。その中の本体を当てられたら君の勝ちだ。だけど外したら……逆にライアーの電撃がグソクムシャを襲うよ」
「そんなことを言って惑わせようとしても無駄よ!グソクムシャ!」
グソクムシャがボールから出ると同時に最高速の突進を繰り出す。この状況で一番よくないのはクルルクの言葉に迷い、みすみす先制攻撃の機会を逃すこと。素早い指示からグソクムシャはライチュウに自身の巨体をぶつけるが──それは、影を通り
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ