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永遠の謎
1部分:前奏曲その一
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である。時計だけが空虚に鳴る。
 彼等は誰もが不安な中にあった。しかしである。一人の鷲鼻の人物だけは落ち着いていた。
 彼の名はルートヴィヒという。他ならぬバイエルン王であり太子の父である。彼だけは至って落ち着いてこの王都ミュンヘンの郊外にある城で待っていた。
「今日は聖ルイの日ではないか」
「そして陛下のお誕生日です」
「その日ですが」
「なら落ち着くことだ」
 こう周りに言うのだった。
「よいな」
「それはわかっていますが」
「しかし」
「どうしてもです」
「それはわかる」
 王は彼等のその気持ちはわかると返した。しかしであった。
「だが、それでもだ」
「落ち着かれよというのですね」
「ここは」
「安心するのだ」
 彼だけは泰然自若とさえしていた。

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