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ドリトル先生と奇麗な薔薇園
第十二幕その十
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「そんな素敵な薔薇園ね」
「そうそう、凄く奇麗な薔薇園だよ」
 ホワイティは先生の薔薇園はそれだと言い切りました。
「これ以上はないね」
「そんな薔薇園だね、棘もなくて」
 老馬は薔薇に付きもののこれのお話をしました。
「絡む蔦もなくて」
「今僕達が観ている薔薇よりもいい薔薇だね」
「先生のお心の薔薇はね」
 オシツオサレツも二つの頭でお話します。
「本当にね」
「そんな薔薇だね」
「サラさんはよくわかっているわね」
 ダブダブはしみじみとして昨日のサラのお話を思い出していました。
「流石妹さんね」
「全くだよ」
「流石サラさん、妹さんね」
「ずっと先生と一緒にいたから」
「子供の頃からね」 
 今はずっと動物の皆が先生と一緒にいます、家族ですがその皆よりも前に先生と一緒にいた人だからというのです。
「それだけにね」
「よくわかってるね」
「むしろ僕達よりもわかってる?」
「そうかもね」
「私達先生のことはよくわかってるつもりだったけれど」
「サラさんの方がだったかもね」
「うん、サラは本当に僕のことがわかっているよ」
 実際にとです、先生ご自身も答えました。
「子供の頃からね」
「そうよね」
「本当に何もかもがね」
「よくわかっているわね」
「子供の頃から一緒だっただけに」
 結婚してお家を出てもよく会いに来てくれています、絆は深く強いのです。それで皆も言うのでした。
「それだからこそね」
「ああ言えるのね」
「先生は薔薇園だって」
「そのお心を薔薇に例えたら」
「そうだろうね、しかし僕は薔薇園で」
 さらに言う先生でした。
「皆が愛してくれて女性もと言ってたけれど」
「サラさんはね」
「はっきり言っていたね」
「僕達もしっかり聞いたから」
「よく覚えてるよ」
 皆このことについてもこぞって先生に言いました。
「その通りだよ」
「僕達皆先生大好きだし」
「トミーだって王子だってサラさんだって」
「そして学園の職員さん達や学生さん達も」
「先生嫌いな人はまずいないわよ」
 そのお人柄故にというのです。
「それこそね」
「嫌いになれる筈ないじゃない」
「他の人に意地悪とか絶対にしないし」
「悪意自体持たないから」
 妬んだりひがんだり恨みに思うこともありません、そうした感情も人はあることを理解していても先生ご自身にはないのです。
「陰湿だったり卑劣だったりもしないし」
「執念深さとも無縁だし」
「凄くいい人だから」
「誰も嫌わないのよ」
「それだったら」
 そうした人ならというのです。
「女の人だってよ」
「好きになるのよ」
「薔薇を愛さない人はいないってサラさん言ったけれど」
「実際に女の人ならよ」
「余計にそうよ」
「好き
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