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空に星が輝く様に
92部分:第七話 二人の仲その十七
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第七話 二人の仲その十七

「それは確かだよ」
「へえ、美味いのか」
「そうよ、美味しいからね」
「早く行けよ」
 津島も狭山もそれは勧めた。
「いいわね、今度の休みね」
「西堀さんとな」
「ああ、わかったよ」
 陽太郎も二人の言葉に素直に頷いた。
「じゃあ行って来るな」
「気合入れて行く」
 急に椎名が出て来た。そのうえでの言葉だ。
「はじめてだから」
「はじめてって?」
「そう、はじめて」
 こう彼に言ってくるのである。いつもの無表情でだ。
「だから」
「はじめてって何だ?」
「おい、わからないのかよ」
「あんた鈍過ぎよ」
 ここでまた狭山と津島に言われたのだった。二人の顔は今度はいささか呆れたものになっている。その顔で言ってきているのである。
「だからな。こうした場合はな」
「あれじゃない、あれ」
「あれって?」
「デート」
 今言ったのは椎名だった。
「それ」
「えっ、デートって」
「男の子と女の子が一緒に何処かに行く」
 椎名の目はいささか座っているものになっていた。その目で陽太郎に対して言ってきているのである。
「それがデートでなくて何?」
「そうなのか」
「そう。つきぴーは純情だから気をつける」
「普段の登下校の時と違うのかよ」
「大体同じでいい」
 何気にアドバイスもする椎名だった。
「ただ」
「ただ?」
「変なことしたら許さない」
 また目が座っていた。
「その場合は死なす」
「物騒だな、おい」
「私が蹴って赤瀬が窓から放り投げる」
「最後は何なんだよ」
「本気だから。とにかく変なことしたら許さない」
 それは強く言うのだった。頭の後ろにある赤いリボンは奇麗だが今は何故か可愛らしくは見えなかった。鬼の角の様に見えた。
「いいわね」
「俺だって別にそんなことしないよ」
 陽太郎が困った顔で椎名に返した。実際にそのつもりは毛頭ない。
「紳士的っていうか高校生らしくさ」
「まあキス位で止めておけよ」
「そうそう」
 狭山と津島がまた囃し立てる。
「そこはしっかりとだな」
「真面目にしないとね」
「キスとかそんなことするかよ」
 だが陽太郎はこのことにも憮然として返した。
「いきなりそんなことはな」
「意気地なし」
 また椎名が言ってきた。
「それ位する勇気もないの」
「御前今変なことしたら殺すとか言ったじゃないか」
「それでも勇気はないと駄目」
「どういう勇気なんだよ」
「真面目にかつ大胆に」
「相反してないか?」
 これまでの話を聞いてこう思わざるを得ない陽太郎だった。それで言ったのである。
「何かな」
「気にしない。とにかくファーストデートは」
 椎名はこの話をまたした。
「しっかりとする。それは
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