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空に星が輝く様に
88部分:第七話 二人の仲その十三
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第七話 二人の仲その十三

「星華ちゃんそのことを知らなかったの」
「皆知ってることだって思ってたけれど」
「ねえ」
「ちょっとね。私武道方面疎いから」
 これは本当のことだ。しかし陽太郎が剣道部なのは知っていた。だがここでふとそのことを思い出しもしてそのうえで話すのだった。
「そういえば同じ道場ってどっかで聞いたっけ」
「前にこの話したよね」
「そうよね」
「結構前だけれど」
 三人もここで話す。
「星華ちゃん忘れてただけじゃないの?」
「ただそれだけなんじゃないの?」
「そうかも。迂闊だったわ」
 首を捻って無念そのものの言葉で述べた。
「そうなんだ、あいつ剣道部と一緒の道場なんだ」
「それがどうしたの?」
「何かあったの?やっぱり」
「剣道部に誰かいるの?」
「あっ、別に」
 ここでまた誤魔化した星華だった。
「何もないけれどね。そうなの、剣道部と一緒ね」
「天文部だったら合うのにね」
「あのチビッ子と一緒だしね」
「丁度いいのね」
 今度は月美の傍に座る椎名を忌々しげに見る。月美にあれこれ言ったり嫌がらせをするにも彼女がいる限り無理だった。それでそうした目になっていたのだ。
「うざいわね、本当に」
「うちのクラスに居座り続けてね」
「三組なのに」
 今度は四人で言う。
「何だっていうのよ」
「文句言っても聞かないし」
「屁理屈言うし」
「どうにかしないとね」
 星華も実に忌々しげな顔で言う。
「あいつがいたら西堀動かないし」
「それいいことにしてね」
「本当に嫌な奴よね」
「全くね」
 こうしたことを話しながらそのうえで二人を見ていた。何処までも自分達のそうした感情が何処から出ているのかわかっていなかった。
「あんな奴痛い目に遭えばいいのに」
「っていうか遭わしたいわよね」
「全く」
 三人はまた言った。
「けれどあのチビッ子がいたらそれだけで」
「何もできないし」
「あいつ口強いしね」
 既に椎名の口で随分とやられているのであった。それでも手出ししないようになっているのだ。人間痛い目に遭えばもうしなくなるものだ。
「しかも結構強いらしいし」
「えっ、強いの?」
「天文部らしいのに」
「それがね」
 それを話したのは州脇だった。
「中学まで格闘技やってたらしいし。今でもしてるんじゃないの」
「今でもって」
「じゃあ腕も立つの」
「みたいよ。ほら、脚も速いじゃない」
 州脇は二人にさらに話す。
「あいつ体育の時間でいつも物凄いスピードで走るじゃない」
「そういえば短距離も長距離もどちらも」
「ダントツで速いわよね」
 二人も州脇の言葉に頷く。
「もうべらぼうにね」
「速いから」
 そして星華に顔を向けて言うのだった。

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