第一章
第10話 手合せ
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うも。いつも言っているけどケツは叩かないようにな。エイミー」
「兄ちゃんすごい。一本入ったね」
「エドか……うーん、あれは打たせてもらったようなもんだと思うけどな。エドも剣術をやっているのかい?」
「うん。僕もやってるよ。ここのみんなは全員どこかで習ってるんじゃないかな?」
「そうなのか」
どうせみんな結構強いのだろう。聞かなくてもわかる。
「リク」
「おわっ……クロか。びっくりした。お前も見ていたのか」
「今のは何をやっていたのだ」
「何をって言われても……。剣術の練習をすることになったからさ。今日はこちらの現状を把握したいということで、まずは試合をね」
「練習……。強くなるため……か?」
「ああ。まあそうだな。クロもお荷物が少し軽くなったほうが助かるだろ」
「…………」
クロは答えない。
「ん?」
「意味がわからない」
「ああ、ごめん。わからなかったか。あまりお前に守られ続けているわけにもいかないって意味だよ」
俺は言い直した。
比喩の表現だと、直喩以外はまだうまく理解できないらしい。
「そうか……わかった」
「え? それだけ?」
「ああ」
「何だよ。変なやつだな」
ジメイがクロに近づいていく。
そしてクロの背中を撫ではじめる。
「クロさん、あなたでは不足って意味じゃないから。安心して」
クロはジメイのほうを見上げた。
そしてかすかに声を出したように聞こえた。
あ。もしかして、俺の言い方が悪かったのか。
「ジメイはクロの考えていることがわかるんだ?」
「ううん? 神託だよ。今日クロさんを慰めるようにってね」
そんな神託あるかいな……。
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