19話:法人設立
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金儲けの能力は譲る気はないが、将中の将という観点では及ばない。おばあ様の期待が少し重かった。
おばあ様をともなって遊戯室に移動すると、父上と母上がお茶を飲んでいた。
「父上、母上、お待たせしました。おばあ様から法人設立にご不安をお感じとの旨、伺いました。ご説明のお時間を頂ければと存じますが。」
「うむ。ザイトリッツよ。今年は領民の増加や造船ドック群の起工とただでさえ事が多い状況だ。さらに手を広げるのはいささか危険ではとも思ってな。」
「ご不安はごもっともです。改めて整理いたしますが法人を設立するからといっていきなり大規模に動かす予定はございません。帰還兵の比較的消耗が少ない層を雇用し、辺境星域を周回してシャンタウ星域に戻る輸送船団を運用するくらいでしょう。」
そこまで言うと、父上は少し安心したようだ。おばあさまと母上はお茶を楽しんでいる。
「であれば法人設立を急ぐ必要はないとお感じになられるかもしれませんが新しく設立するルントシュテットコンサルティング(以後RC社と記載)は辺境星域の方々にも同じような法人を設立頂き、法人間を通じて投資を行いたいと考えているのです。
従来の貴族間のやり方ですと、当家が辺境星域に影響力をつけようとしている様に取られかねませんし、仮に資金を融通したとしても、上手くご活用いただけるかが不明です。政府が消極的だったとはいえ、投資を引き出す事業案が作れていなかったのも事実な訳ですから。
そこで名目上は企業活動としつつ、投資とその運用のご提案まで行いたいと考えているのです。仮に失敗するようなことがあっても、RC社の損害になりますから当家がなにか矢面に立つような事態になることは防げるでしょう。もちろん細かい交渉が必要になりますので、今年度に大きく動くようなことは無い思いますが。」
俺がここまで話すと、父上は納得したようだ。
ため息をつくと、わかった。と言ってくれた。
「ニクラウス、ザイトリッツが当家に不利益になることをすることは無いわ。領地経営の方でもいろいろ力になってくれてるし、多少の事はやらせてあげましょう。ただし、ザイトリッツ、私に寂しい思いをさせてはいけませんよ。」
おばあ様が援護なのか釘を刺しているのか判断に悩むことを言い出した。もちろん配慮は欠かしませんとも。
RC社の最初の契約はルントシュテット領とのコンサルティング契約だ。今期の契約料は20億帝国マルク。ただし、レオの事業を除いて、領地の増収分の10%をもらう約束は先月で終了した。契約料以上に収益を出せるように努めるつもりだ。
出資比率は対等で、ルントシュテット家と俺の口座からそれぞれ120億。あとは契約料の20億の計260億帝国マルクでスタートする。
やりたい放題するつもりはないが、やりた
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