10クレイモア地雷伝来
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古代、冬守
草を潰して紙の繊維を取り出すには、まず羽衣、濾し取るための大判の布の完成を待たなければならないので、まずは竹を使って砲を作る。
少量生成された火薬を竹筒に入れ、小石を詰めて榴弾を投射する短筒を作らせた。
竹筒は破裂すればすぐに壊れるので大石は飛ばせないし、長距離の発射も不可能。
砲や銃ではなく、投げられない手榴弾かクレイモア地雷のような、単発使い捨ての品物になった。
どうせ現場で詰めなおしたり、火薬や石を集め直すのも不可能なので、あらかじめ作り置きして破裂させれば捨てる。
現代でも、近接信管やトラップにしたところで、野生動物に反応したり、防御兵器のはずが自分の位置を知らせる自爆装置になったり、中々有効に働かない代物である。
特攻野郎Aチームのように、スタントマンがピョンピョン飛んでくれるような爆破実績を起こしたり、FPSゲームでメダル貰えるほど連鎖爆破するのは不可能で、余程相手が馬鹿で、トラップを「自分で起動」してくれるような低能でなければ連続爆破など夢のまた夢。
それも遠隔操作や司令爆破も無く、導火線もまだ無いので遅延爆破ができない。
埋めておいて相手の目の前で点火して逃げるか、導火線の様な遅延装置が必要になる。
「余り防水もできそうにないな? 竹の節で蓋をして、獣脂や膠で蓋をするとどうなるか、自爆するのか前に噴き出すのか見てみよう」
ヨツハ様は神憑り状態で悪鬼羅刹が降りてきているので、ラプラスの鬼と呼ばれる、全ての物理現象を計算して予測する仮想の怪物のように、この先の出来事を予感した。
「点火すれば、何故か逆方向を向いて破裂するか、後ろの方に穴が開いて、我らが吹き飛ばされるのだな。面白い、やって見せろ」
誰と話しているのか、物事を失敗させる悪霊でも見えるのか、この実験を故意に失敗させ、歴史が書き変わるのを防ごうとする意志や時空警察の存在でも感じたのか、その妨害も含めて実験を始めさせる。
「斜めに角度を付けて火を着ける、吹き飛ばないように重しを乗せろ、それでも吹き飛びそうだがな」
盛り土の中に竹筒を埋め、後ろの火口だけは開けておいて点火させる。その役には惜しくも無い馬鹿や年寄りが選ばれた。
村の中で既に序列があり、こんな時に誰から死ぬかが決まっている。
「やれっ、早くせんかっ」
点火にモタモタして、発火の瞬間まで遮蔽物の向こうに逃げられなかった馬鹿は、吹き飛んだ竹筒が飛ばした小石の数個と重りの大石を腹に食らったが、とりあえず死なずに済んだ。
竹に詰めた小石の大半は、一番抵抗が少なかった前方に飛び、おおむね成功。これによってまた歴史が書き変わる。
近隣の村
関所や村の入り口に転がり込んで来た、冬守からの使者。
馬にま
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