17・凰蝶の正体?
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憑依ならば、そのあとはずっと、鳳は鳳凰という男に乗っ取られているにちがいない。が、今現在も、鳳は鳳のままで生活している」
「じゃあ、憑依ではなければなんだというの?」
「あっ、二重人格ということは、考えられませんか?」
アザゼルの話を、じっと聞いていたロスヴァイセが、言った。
ロスヴァイセは、アザゼルと同じく駒王学園の教師であるが、リアスの眷属に属している。
「なるほど、そういう考え方もある。人格が変わるということは、その人間になにか障害があるか、変えてしまうトラウマ的なものがある。が、鳳に関しては、そういう物はない。
中流家庭でありながらも、優しい両親、仲間たち。ごくごく普通で健やかな精神を培っていると俺は、思う」
アザゼルは、堕天使の総督ではなく、教師としての目で凰蝶を分析した。
「さて、ここからが、俺の推測なんだが」
ようやく、アザゼルは、本題に入るように言った。
「お前たちから、いろいろな意見は出たが、どれもこれも正解かもしれないし、正解じゃないかもしれない。まして、俺の見解もあくまで推測として聞いてほしい。もし、質問があれば、俺の話が終わった後、聞いてやる」
アザゼルは、みんなの顔を見渡した。だれもが、頷いた。
「DD戦争が始まる前に現れた鳳凰という男は、それ以来、こちらの世界に現れることはなかった。たぶん、現れた時も消えた時も、決して交わることがない平行世界だったこちらと鳳凰がいた世界が、なんらかの事象が起き、交わってしまった」
アザゼルは、一気にそこまで話したあと、一息つくかのように息をはいた。
「そのなんらかの事象は、俺にはわからない。ただ、こちらの世界の次元の歪みとあちらの世界の次元の歪みが、たまたま、交じり合った結果、鳳凰と男が、こちらの世界へ紛れ込み、そして、再び、なんらかの事象が起こった結果、消えたのだと俺は、考える」
アザゼルの考えに一誠は、違和感を覚えた。
(その次元の歪みが、何故、凰蝶に関わるのか)と。
「一誠、何か異論がありそうだな?」
アザゼルは、その表情を読み取って、一誠に言った。
「えぇ、まぁ。。。。」
一誠は、今さっき自分の考えが、正しいのかわからない為に言いよどんだ。
「なんでもいいぞ、お前が考えた事をいってみろ」
アザゼルは、一誠に教師のような口調と一誠を真っ直ぐ見つめた。
「なんかその男の事情に凰蝶ちゃんが、何故関わるのか今一つわからないのですが?」
一誠は、恥ずかしそうに頭を掻きながらアザゼルに言った。
確かにそうだ。
その男が、消えようが現れようが、なんら凰蝶には、関係ない。が、何故、アザゼルが、こうも次元の歪みと鳳凰という男にこだわるのか、全員が不思議でならなかった。
そして、凰蝶の力に、鳳凰という男が、どう絡むのかを。
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