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戦闘携帯への模犯怪盗
STAGE3-2:オレと私の離別戦闘
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なものだったの?」
「そうじゃない!でも……でも、私はもう苦しいの! したくない男の子のふりをするのも、それを隠してクルルクと勝負するのも! 私は私のままクルルクに向き合いたいって思うと、胸が苦しくて痛いのよ!」
「……」

 ここしばらく少しラディの様子がおかしいことはわかっていた。だが彼女の抱えていた本心を目の当たりにして思わず絶句するクルルク。

「昔は楽しかった……ポケモンバトルは今でも好きだしクルルクとこれからも勝負はしたいわ、本当よ。だけど……でも……私は!」
「大丈夫ですよ、ラディ。あなたが勝ったなら、スズがちゃんととりなしてあげます。だから今は、彼に勝つことだけ考えてください」

 熱に浮かされながらも、なんとか自分の気持ちを伝えようとするように途切れ途切れに話すラディ。そこでスズが音声で割って入り落ち着かせた。
 クルルクも、少しずつ冷静さを取り戻し模犯怪盗としてラディに向き合う。

「……わかった。もっと早く言ってほしかったけど……なら、いくよラディ。手加減はできないからね」
「いらない! 私は私のままクルルクに勝つ……その後で、話を聞いてもらうから!」

 勝負が始まる。相手の場にはグソクムシャとルカリオ。クルルクは即座にライアーとテテフにアイコンタクトをした。

(テテフの『サイコメイカー』の効果でグソクムシャは『であいがしら』を発動できない。まずはライアーの電撃でそっちを叩く!)

 直接言葉を出さずとも、ライチュウは尻尾にためた電気をグソクムシャに放つ。だがグソクムシャはすでに体を丸め、分厚い装甲で守りの体制に入っていた。先制攻撃ではなく『守る』だ。

「ルカリオ、『ラスターカノン』!」
「戻れテテフ!頼むよヴァネッサ!」

 そしてフェアリータイプのテテフの弱点を突くべく鋼の波導がテテフを襲うのを、クルルクは察知してすぐさま水タイプのアシレーヌに交代した。泡をまとった彼女が代わりに受け止める。効果が今一つであるためダメージは軽微だ。

「テテフを下げられた……」
「メレメレライダーの得意技は本来の速度を無視した先制攻撃が多いからね。テテフの特性は君と戦うためのな強力なカードだ。やすやすと戦闘不能にはさせられないよ」

 グソクムシャ、ルカリオ、そして前の戦いで出たハッサム。速度に優れないポケモン達だが、『であいがしら』や『バレットパンチ』はその認識を凌駕する。道具や技で強化しつつ撃ち込まれる攻撃は銃弾のように速く、重い。それを可能な限り防ぐためにクルルクはテテフを先出ししてすぐ戻した。
 アシレーヌが破裂するバルーンを自分とライチュウの周囲に出して守りを固める。ライチュウはいつでも念力で相手の攻撃をそらせる態勢を取り、背後には先制技を無効化するテテフが控える。


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