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繰リ返ス世界デ最高ノ結末ヲ
06.そうだ、刑務所に逝こう。
第22回
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只街をぶらぶらと歩き、少し路地裏を覗いてくだらない喧嘩を沈めて、公園で寛ぐ。

 只それだけだったが、気持ちを落ち着かせるのには十分だった。































「………あれ、こんな時に散歩ですか?」































 彼に声を掛けられるまでは。

「お前……ッ!!」
「まぁまぁ。僕は、攻撃されるまで貴方達に攻撃は出来ないので」

 咄嗟に全員が武器を構えたが、それを聞いて、数人は武器を下ろす。が、下ろさなかった者の一人、涙はキッと彼、キュラルを睨み付けて言う。

「如何為てだ」
「首領に命令されたので。幾ら迷惑ばかり掛ける首領でも、命令なら従う必要があるので。それより、読みます? 首領が過去捨てようとしたノート」

 キュラルは、端の方が焦げている一冊のノートを、涙に押し付けるように渡す。反射的にそれを受け取ってしまった涙は、溜息を吐いてからその表紙を捲った。


"12月25日
今日から俺も晴れて黒猫の一員だ。
彼奴に俺達が拾われてから、本当に色々あった。
特に、彼奴が俺が必死に守っていた子供達を使って俺に試験を出してきたときの事は良く覚えている。
あの時、本気で彼奴を殴ったな。今考えればありえない事だが、自業自得だ。
だが、それがあったことでこうやって彼奴が俺を認めてくれた訳なのだから、子供達には申し訳ないが、少し嬉しい。
これで目標だった彼奴に少し近づくことが出来る。
すぐに追い越してやるから、待っていろ。
これから黒猫に入った記念に、日記でも書いて行こうと思う。
後で彼奴に見せてやろうかな。
どういう顔をするのか楽しみだ。"


「………?」

 それを見ただけで、涙は困ったような表情を浮かべる。


"1月23日
俺は黒猫の事を教わったら、すぐに彼奴の下に置かれることになった。
彼奴は幹部だというのだ。
ドヤ顔で言って来たときにはそれはムカついたが、でも貧民街で俺達を一つの迷いなく拾い、そして服や飯を与えてくれるような優しい奴ならあり得ると納得した。
彼奴は今日、どうやら危険な任務に向かっていたらしく、他の部下達が騒いでいた。
でも、それでも彼奴は一つの傷も無く帰って来たらしい。
だから、「心配した」と言ったら、彼奴はなんて返したと思う?「可愛い」と叫んだんだ。
沢山の人達の前でそんな事言うな
恥ずかしいじゃないか
だけど、そんな俺の事も彼奴は「可愛い」と言う。
明日、一発殴ってやろう"


「此れ………俺の字じゃねぇか」
「嗚呼、気付きまし
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