第三話 ブッシュネルはいい機体
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崩れるかも知れないがリスキー過ぎる。ここは下手に動かず様子を見るべきか…?
「────────────」
96式は索敵モードを使って周囲を探知する。
こっちは足を止めて身を潜めているから見つかる事は無いだろうが内心ドキドキするぜ。
「……」
96式はこの周辺を根城にするのか、背中にマウントしていたキャノン砲をパージし組み立ていく。その時、チャンスはやってきた。両腕の大型シールドは、キャノン砲の組み立てを阻害するから地面に突き刺している、今なら隙だらけだ。
「この隙を付いて…」
奇襲すべき────だが、もしかしたら罠かも知れないという恐怖が、踏み出そうとする一歩の邪魔をする。
もしかしたらアイツは俺の存在に気付いていて敢えて、隙を晒していたとしたら…。
見たところ敵機は96式だが、実は『96式改(type961i)』という可能性も捨てきれない。
もし、そうならこちらの機体よりも優れた電子兵装でこちらの予想を上回る性能を有していることになる。用心深くになり過ぎているかも知れないが、可能性を捨てきれない以上、こちらから無闇に攻撃するのは控えるべきだと判断する。
「先手必勝よりも後手必勝…なんかダサいけど相手を知ることが勝利への近道だ」
まぁ、そのせいで何回も負けた事もあるが逆も然りで、その用心深さのお陰で勝利した戦いも決して少なくはない。焦らず、冷静に戦況を見極める。
「────。────。────。」
96式はキャノン砲を組み立て終え、地面に突き刺していた大型シールドの一つを背部に設置し、もう片方を左腕に構える。
取り回しにくいキャノン砲を右腕に、そしてそれと同様に取り回しの悪い大型シールドを左腕に装備する。先程より前面の守備力は低下したが、背後に大型シールドを取り付けた事で全面に適した形態となった。より強固になった防御力に俺は思わず舌打ちしてしまった。
これならキャノン砲の組み立て中に後ろから狙い撃ちにすれば…。
悲観的になってしまうが、相手の手の内を知る事は出来たのでプラスな点もある。
勝負はこれからだ。今は、そこらに転がってる石と一体化しろ────。
と、より身を潜めて持久戦に持ち込もうとした時。
────ダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダ!!!!!!!!!!!!!
銃撃だ。
それもそんなに離れた所ではない。
96式は依然として周囲を索敵している所を見ると戦闘をしているのは俺達意外の敵という事になる。
「このタイミングで戦闘かよ…この連射速度からするに短機関銃(サブマシンガン)か?」
音で位置がバレバレ、それも銃撃は依然として続いている。
戦闘は継続していると見ていいだろう。
さて、96式はどう動くのやら…。
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