第三話 ブッシュネルはいい機体
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かるような。分からんような、」
「無駄に騒音でキラキラしてんの見てたらウズウズするよな!」
「そういう人間の真理を付いてやってるからな、」
確かに、ゲーセンに来るたびに多少なりとも興奮しやすくなる。
コインゲームでコイン大量GETとかクレームゲームで景品を取った時とかまさにそれだ。
「今日は十連勝するぞぉ!」
そう言って風志はゲーセンの中に入っていった。俺もその後を追うようにゲーセンに入っていく。
少し暗めの照明に、大音量のBGM。
音ゲーとかコインゲームのジャラジャラした音はうるさいと感じる事もあるが嫌いではない。俺はゆるりと店内を回り、新たに追加されたゲームや来月追加される新しいゲームキャラを一通り確認して風志の元に向かう。
「GAME OVER」
巨大スクリーンにデカデカと表示された敗北の文字。
ここのゲーセンは、数箇所に巨大なスクリーンを設置しており現在行われているゲームのリアルタイム配信を行っている。こういった工夫のお陰か、このゲーセンの人気は高く、わざわざ他県から押し寄せてくる暇人も少なくは無いらしい。
「かぁっ!負けた負けた!」
そう言って先程行われていたアーケードゲームで惨敗した本人である風志は笑顔でやってくる。
「どうどう?
俺の負けっぷりは?」
なんで負けたにも関わらず、そんなに笑顔なのか分からないが。
「まぁまぁじゃないか?」
途中からしか見てないから何とも言えないが下手では無かった。上手かったとも言えないが決して下手では無いことは分かる。
「そっか…まぁまぁか。やっぱり相手が悪かったか、」
「そんなに強い相手だったのか?」
「強いもなんも相手は、この日本で最強と謳われる『L』だぜ。結構、善戦したつもりなんだけどリプレイ見たら酷いなぁ。思いっきり相手の手の平で踊らされてた」
どうやら相当、高ランクのプレイヤーとマッチングしたのだろう。手合わせ出来て光景…と言いたい所だが、力の差を認識し悔しそうな表情を見せている。
「そんなに強いのか。そうか…」
風志も、あのゲームを始めてかなり経つがそれでも上には上がいる。
確か、名前は『L』だったか?
日本で最強と謳われているそうだが…そこまでの高みに登るまで一体どれ程の金と労力、時間を掛けたのか?
「なに、蒼太も久々にやっちゃう?」
「ふむ。やっても構わないが、Lとやらとマッチングするとは限らないからな…」
「げっ。日本最強プレイヤーを倒そうっての?」
「やるなら何にせよNO.1だろ」
「かぁっ〜言うねぇ。いいねぇー。俺、お前のそういうとこ好き?」
「茶化すな、」
さて。まずはICカードを持ってきたかを確認する。普段は財布のカード入れに入れているが最近はやってなかったから家に置いてきているかも知れない。
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