機動戦士ガンダム
2161話
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が迎えにきたのか!」
「……ムウ?」
ニッキの口から出たムウという言葉に、スレイは訝しげな視線を俺に向ける。
だが、すぐに俺がジオン軍に所属していた時はムウの名前を使っていたのを思い出したのか、スレイの視線に若干呆れの色が混じる。
「あー……アクセルな。アクセル・アルマー。ムウ・ラ・フラガってのは、偽名だ」
「は? アクセル? それって……いや、けど……」
戸惑っているニッキ。
当然のように、ニッキもルナ・ジオンの建国宣言や、何よりグラナダの攻略作戦についての中継は見たのだろう。
もっとも、そこに映っていたアクセルと今の俺では、年齢的に明らかに違う。
だからこそニッキも、俺を見てアクセル? と首を傾げているのだろう。
だが、その辺には迂闊に触らず、話題を変える。
「以前会った時に比べると、随分と精悍になったな」
「……ん? そうか?」
話題が変わった事については、若干違和感を持ったらしいが、今は特に気にした様子を見せずにこちらの話に付き合ってくる。
「ああ。それだけ、濃い経験をしたんだろうな」
「……そうだな」
ん? 俺の言葉に喜ぶのかと思ったが、ニッキの様子を見る限りではそこまで喜んでいるようには思えない。
「どうした?」
「いや。……ああ、まぁ、ムウ……いや、アクセルか。アクセルが言うように、色々と濃い経験をしたのは間違いないよ。ただ、ちょっとその……」
口籠もった様子を見て、何となく何を言いたいのかを理解する。
恐らく、いや、確実に戦争で嫌な思いをしたのだろう。
戦争というのは、どうしてもそういう一面がある。……いや、寧ろそういう一面が強いからこそ、どうにかして兵士達にそういう思いをさせないようにして、エースとかを持ち上げたりといった真似をするのだろう。
とはいえ、それで完全に誤魔化せるかと言えば、そうでもない。
その辺りは、結局人それぞれが自分で乗り越えていく必要があるのだ。
そういう意味では、シャドウミラーの面々は……そして、ルナ・ジオンの多くにしても、既に乗り越えている。
闇夜のフェンリル隊も、特殊部隊という形である以上、その辺を乗り越えている奴も多いと思うんだが。
単純に、ニッキが新人だっただけって可能性もあるが。
ともあれ、ニッキの気分を明るくさせる為に、俺は再度話題を変える。
「そう言えば、ルナ・ジオンの地球での拠点はハワイになったんだが、行った事あるか?」
「ある訳ないだろ。何だって行った事があるなんて思ったんだ?」
「いや、だって俺達が譲渡されるまで、ハワイはジオン軍の領土だったんだし」
そう言われ、なるほどといった様子で頷くニッキ。
ただ、ニッキにしてみればハワイをジオン軍が領土としていて
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