第6章:束の間の期間
第172話「予兆と決意」
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ロノ君のおかげで、説明する手間が省けた。
そのまま本題に入る。
「どの道、このまま皆の魅了をそのままにしたらダメだとは思う。いい加減、皆も自由になって欲しいからね」
「元々魅了を解く手段があるのは優輝と司だったよね。椿が手段を用意してたみたいだけど、今となっちゃわからないし……」
「でも、どうして魅了を解く話に?」
ユーノ君が聞いてくる。
確かに、優輝君の話から魅了を解く話になるには動機が弱い。
「……言い方が悪くなるけど、手札を増やすため、かな。魅了は神夜君を盲信するように働きかけてくる。アリシアちゃん達ならよくわかるよね?」
「……嫌って程にね……」
「その効果のせいで、神夜君が変な行動……それこそ、また優輝君に苦労を掛けるような事をしたら、皆も便乗しちゃう。それを阻止したいんだ」
『……だから、今魅了を解こうとする訳か』
強くなりたいと思っても、一朝一夕で成し遂げられるはずがない。
だったら、私が強くなくても優輝君が楽できるよう、“支える手”を増やせばいい。
そのために、魅了を解きたいという訳だ。
また、これは優輝君に頼らずに行動するという“第一歩”でもある。
「もちろん、混乱とかもあると思う。……それを含めて、私は皆の意見を聞きたいの。この機会を逃せば、これまで通り一人ずつしか魅了を解けないと思う」
「……なるほど……」
こう言っては何だけど、多分皆は魅了を解くこと自体には全面的に同意するだろう。
問題なのは、このタイミングにするかどうか、という事だからね。
「さっきも言った通り、優輝君の事はきっかけに過ぎないよ。ただ単に、ジュエルシードが手元にある今の内に、後顧の憂いを断っておきたいだけ」
「これ以上の混乱を招かないために後回しにするか、そうでないかの話よ」
私、奏ちゃんと補足するように言う。
これは、ただの“第一歩”でしかない。
もし、今がダメなら別の方法、別の機会を探せばいいだけ。
ただ、それらの判断を、私自身が決めていかないいけない。
「(それぐらい、やってのけないとね)」
そのための提案。そのための覚悟だ。
私は、私たちは、今度こそ優輝君に頼られる程に、強くなる……!
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