暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第6章:束の間の期間
第172話「予兆と決意」
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 両親と、椿ちゃんと葵ちゃんぐらいしかいないのだろう。
 クロノ君やリンディさん、他の大人の人も頼れると言えば頼れるだろうけど……。

「(精神的支柱の二人がいなくなって、負担が大きくなった……)」

 こんな状態の優輝君を癒すのは、多分私には無理だ。
 奏ちゃんやアリシアちゃん、シャマルさんにも無理かもしれない。
 出来るとしたら、両親か……緋雪ちゃんぐらいだろう。

「(ごめんなさい、優輝君。こんなになるまで気づけなくて……)」

 きっと、転生してからじゃない。
 前世から、優輝君が拠り所を求める事は少なかったんだろう。
 ……そのツケが、今来たのかもしれない。

「(……だからこそ、今度は私が……私たちが何とかしないと……!)」

 優輝君はいつも自分を追い詰めている。
 まるで限界はそこではないと言わんばかりに。
 その限界を、まだ超えられると言うかのように。
 ……まだ“可能性”が残っていると、そう示すかのように。

「……着いた」

 考え事をしている内に、アースラで優輝君が使っている部屋に着いていた。
 扉を開け、その中にあるベッドに優輝君を寝かせる。

「……椿ちゃん、葵ちゃん……」

 優輝君と同じように、私も二人がいなくなったのは悲しい。
 同時に、信じられないという想いもある。

「(お願い……二人とも、帰ってきて……!)」

 それは、天巫女の祈りとしてではなく、純粋な“願い”。
 “そうであって欲しい”と言う、ただの“祈り”。
 ……故に、私の力が最も働く“祈り”となる。

「………!」

 優輝君に寄り添いながら、私は懇願するように祈り続ける。
 全回復していないジュエルシードの魔力も使って私は“祈り”の魔法を使う。
 きっと、“戻ってくる”のだと、信じて。

「「優輝!!」」

「っ……!」

 そこへ、優輝君の両親がやってきた。
 その勢いは凄まじいもので、つい肩が揺れる程驚いてしまった。

「は、速すぎ……!」

「ふ、二人とも待ってくださーい……!」

 遅れて、奏ちゃんとシャマルさんもやってくる。
 というか、奏ちゃんが速いって言うほどなんて、どれだけ素早かったんだろう……。

「司ちゃん!優輝は大丈夫なの!?」

「は、はい。今の所苦しんだ様子は……」

「シャマルさん、二人を安心させるために早く診察を」

「わ、わかったわ!」

 優香さんが私に詰め寄ってきたのを見て、奏ちゃんがシャマルさんを急かす。
 すぐにクラールヴィントを用いて診察をしてくれる。

「……奏ちゃんが報告してくれた通り、精神的負荷による気絶です。命に別状はありませんが……」

「……負荷を何とかしな
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