06.そうだ、刑務所に逝こう。
第21回
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直剣を、千尋は一本の刀を構えていた。
「お前、K猫に入る前は、ずっと『白猫に復讐してやる』って言ってたな。『K猫も打っ潰してやろう』とも言ってた………お前は、K猫に入る前、白猫から逃げた後の時点で、既に軍に所属していたのか?」
「だから、私はお喋りを為に来たんじゃ無いの」
「答えろ」
「……嗚呼、苛つく。軍は私が作った。白猫から逃げて直ぐにね」
冷たい視線が交錯する。
「それじゃあ、軍は全て琴葉が操っていたのか?」
「まぁね。アンタ達は、偽物と本物の見分けすらつかない程の馬鹿だから、拠点を抜け出すなんて簡単だったわ」
「そうか………」
呆れたような顔をする琴葉と、厳しい顔をする響也と千尋。衝突一歩手前と言うところだ。
「お前の部下は如何為た?」
「私の部下? ラルとグレースの事?」
「水城や七星だ」
「嗚呼、彼奴等は全員殺したわ。少しも手応えが無くて、がっかりした。でも、動かなくなった時の表情は最高だったわ! 此れで、約束は果たせそう」
すると、耳障りな金属が擦れる音が響いた。
響也が一瞬で琴葉との距離を詰め、剣を振り下ろし、それを琴葉が短剣で受けたからだ。
「お前……!! 部下さえも躊躇いなく殺すのかよ!!」
「何か問題でも?」
琴葉が剣を弾き、響也は後ろに仰け反る。其処を、短剣で一突き。
「……ぐっ」
「何が部下よ。『お前が大切だ』とか言っておきながら、私に気付くことさえ出来なかったのに」
響也の剣を握る手が緩んだ瞬間に、琴葉はその剣を奪い取る。
「結局、アンタだって私の事を分かっているようで、分かってないじゃない!!」
そして、響也の肩から胸までを斬った。間髪入れずに、能力の起句を唱えておいた千尋が、響也が死んだという事実を変えようとするが、事実は変わらない。
「無駄。私が関係したモノへ対する能力の発動は、全て無効化される」
剣を千尋の胸に突き立て、躰を蹴って押し倒す。剣と千尋の躰を地面に固定して、銃弾を撃ち込む。
琴葉に躊躇い等無かった。
「……今日は此れで終わり。折角だから、生き返らせてあげるよ」
数時間後、死んだ筈の涙達が、再び目を覚ました。
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