06.そうだ、刑務所に逝こう。
第21回
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。
「リサちゃん! ユリちゃん! お願い、目を覚まし」
「鬼だろうが、矢っ張り大したことないね」
その言葉が琴葉から発せられた瞬間、宙達の中で何かが切れる音がした。
「琴葉ァアアアア!!!」
輝が叫び、短剣を構えて琴葉の方へ走る。
―――一瞬で距離は詰めた。後は此の結末を能力でも見よう。
輝が能力を発動させると、其処に映ったのは―――
「ぐはっ……!!」
床に叩き付けられる、自分の姿。
「輝! ………『黒華琴葉の命を、有から無へ』!!」
紫苑が反射的に唱える。此れで紫苑の能力に因って、琴葉は死ぬ―――
「あ"ッ"!!」
筈だった。
が、能力は効いておらず、紫苑は琴葉に因って、短剣で床に固定され、最後に頭に銃弾を撃ち込まれる。
「………ぁぁあああああああああああああ!!!!」
宙が細剣を鞘から抜き、琴葉に向けて突き出す。
「『重力操作』!!」
それに合わせて涙が能力を発動する。
此れは決まった。それを見ていたレンも、宙も、涙もそう思った。が。
琴葉には全く能力が掛かっておらず、剣先は琴葉の喉笛の数センチ手前で止まっていた。
「………っあ"」
「ぁぐっ」
二人は髪を掴まれ、上に持ち上げられる。その後、宙に浮いたような感覚が訪れると、ドサッと言う音が四回響いた。そして、消えていく意識の中、自分から離れた下半身を見た。
「………如何為てですか? 琴葉さん」
か細い声が、レンから発せられる。が、恐怖で震えた躰は、直ぐに機能を停止した。
「何が?」
冷たい、機械のような声だけが響く。
◇ ◆ ◇
「………七星幹部補佐!! 七星幹部補佐!!」
「如何為た」
「七星幹部補佐との通信が切れました。恐らく、黒華幹部に接触したと……」
フランが部下からの報告を聞き、唇を噛み締める。真逆、琴葉は自分の部下を殺したのか、と考えて。
重い空気が漂う中、こつこつとヒールの音が。
「………琴葉、君?」
白い肌が、血で赤く染まっている。何時もと違う服、何時もと違う雰囲気。
「君は………琴葉君じゃないね?」
「さあね。退いてくれる?」
―――全てが違う。全て、彼の二人の男が変えてしまった。………否、それとも。
「それが………本当の君かい?」
「ええ。そうだけど? 私はアンタとお喋り為に来たんじゃ無い。さっさと退いて」
「おい、馬鹿琴葉」
「………何」
フランの後ろから、響也と千尋が前に出る。響也は二本の
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