06.そうだ、刑務所に逝こう。
第21回
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「さて、此れから如何するか、決めないとだね」
琴葉が残した大量殺害予告まで、残り一週間。
このまま逃亡して如何にか生きるか、此処に残って生きるために何かをするか。
其れを決めるために、琴葉と仲が良かった構成員達、K猫、白猫の幹部、聖月達は、フランに因って、K猫の会議室へ集められた。
このまま琴葉を探し続け、見付け次第拘束、そして拷問。
琴葉探しは止め、軍を攻めに行く。
案は、此の二つの案に絞られた。
「でも、コトを見付けるのは難しいと思うけど」
「彼奴、可笑しい程潜伏能力高いからな」
「『見付けられたらラッキー。その後少なくとも一週間は、不運となるだろう』でしたよね」
が、一つ目の案は不可能に近いと考えた時だった。
「失礼します!」
一人の構成員が、息を切らして扉を開ける。
「黒華幹部らしき人物の目撃情報がありました!」
◇ ◆ ◇
目撃情報があったのは、聖月達が琴葉と共に訪れたショッピングモールだった。
此処はK猫の息が掛かっている施設でもあるため、出入り口を全て封鎖し、構成員達が中に入ることは容易かった。
始めは涙、宙、アリサ、ユリア、輝、紫苑、レンの七人で探す事になった。
各階に分かれ、端からくまなく探す。全て琴葉に教わったことだ。
客は、突然の事態に驚いていて、その場に座っている者が多い。歩いて居る者等誰も居なかった。
逆らったら殺される。そんな恐怖があるのかも知れない。
「………あれ?」
だが、その中に一人、歩いて居る者が居た。其れを見た宙は、直ぐに無線機でK猫本部や他の構成員に情報を回す。
黒いだぼっとした服に、ショートパンツ姿と言う、かなりラフな感じで、琴葉が良くする格好。髪は黒で、毛先が少し白く染まっている。
間違いなく、琴葉だった。
暫くして全員が集まり、琴葉の姿を確認する。と、アリサとユリアが駆け出した。
「コト……っ!」
「コト!」
二人が琴葉の方へ向かっていき、彼女の躰に何時ものように抱き付こうとしたときだった。
「え……?」
アリサとユリアは、腹部に違和感を覚え、ゆっくりと自分の腹部に目をやる。其処には―――
一本の短剣が、深く突き刺さっていたのだ。
「ぐあっ!」
琴葉は其れを強く蹴り、短剣をもっと深くねじ込みつつ、二人の躰を吹っ飛ばす。その躰は強く柱に当たり、床に落ちる。段々と血溜まりが出来て、もうピクリとも動かない。
「リサちゃん……? ユリちゃん……?」
宙が覚束無い足取りで、二人の元へ向かう。琴葉はそれを横目で見ながら、一瞬にして迫ってきた涙の攻撃を受け流す
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