暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
1章 すべての始まり
9話 とどめ
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や正確さは、元βテスターでも限界がある。もちろん、キリトからの情報も中には含まれているが、提供していないものがほとんどだ。

 つまり、リアたちは、自分たちが行ったことを元βテスターの功績にし、怒りを鎮めようとしている。

「だが、あのボス攻略本は偽の情報だったじゃないですか!そのせいでディアベルさんは…!」

「それは、ディアベルさんを含め、ここにいる全員の落ち度です」

「なっ!?」

「あの攻略本の後ろには、きちんと“この情報はβテスト時のもの”を明記されていました。それに、その前からの攻略本を見ていればわかると思いますが、今のソードアート・オンラインと、βテストのソードアート・オンラインは小さいけど確実に違う箇所があります。何に、ボスの情報はβテストの情報を信じて、偵察を行わなかった。すでにゲーム開始から1か月がたっているとしても、もっと慎重にやるべきだったんです」


 非の打ち所がない正論と、その言葉がリアから発せられたものということで、誰もが押し黙った。リアは、息を吐き、そして吸った。

「私が言いたいのは、元βテスターも、そうでない人も、手を取り合ってこれから攻略をして行きましょうということです。全員が閉じ込められているのですから、内輪揉めをしている場合ではありません。一刻も早く、始まりの街にいるプレイヤーたちを解放させるのが私たちの使命だと考えれば、それは一番の近道だと思いますよ?」

 誰一人、しゃべるものはいなかった。この世界で最も恩があると思われる彼女の言葉は、ほかのどんなプレイヤーの言葉よりも重かった。

「…私たちが2層のアクティベートしますから、皆さんはこれからどうするのかを考えておいてください」

 行こう、とリアはツカサと、そして腑に落ちないような顔をしているキリトに声をかけた。そのままその背中はボス部屋の奥に開いた階段へと吸い込まれると思いきや、リアは最後の最後で、ここにいるプレイヤー全員にとって爆弾を落とした。

「ああ、それとそうだ。キリトはリアルの私の弟ですから。…もし、キリトに手を出した場合は、私も敵に回すと考えてくださいね」

 硬直しているキリトの腕をつかみ、リアの背中は今度こそ消えた。だが、広間は、勝利の雄たけびよりも大きい驚愕の声で満たされた。









「リア姉」
「何?」
「なんでこんなことしたんだ?」

 階段の途中で、キリトがリアの手を振り払い、立ち止まる。キリトより数段上っているため、キリトよりも高い位置から、リアと目が合う。


 さすがに、鋭いリアは、“こんなこと”で、キリトの思いをくみ取ったらしい。

 キリトの睨みに、リアは余裕に一言で表せる笑みを浮かべる。

「あのね、キリト。確かに私の発
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