白魔導士
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メイビスのその言葉を聞いたゼレフは目を見開いた。
「思い付いたの、あなたを"倒せる"方法を」
彼女のその提案は彼にとって喜ばしいものではあった。だが、もうそこに戻ることはできない。
「無駄だよ。死ぬためのありとあらゆる方法は試した。ENDでさえ、僕は倒せない」
「ならばなぜアクノロギアに怯えるのです」
不老不死である彼が人類最大の敵であるアクノロギアをなぜ恐れなければならないのか。それが解せなかったメイビスは問いかけてみることにした。
その彼女の問いに、ゼレフは深刻な目で答えた。
「死ねないから恐ろしいんじゃないか。たとえ不死者であっても、アクノロギアには勝てない。
あれは人類の歴史を終わらせる者。つまりはこの先・・・すべての人類は滅びるんだ。
そして僕と君だけが残される・・・奴は毎日僕たちを使って遊ぶだろう。
何をされるんだろうね・・・でも僕たちは死ねない・・・永遠に奴のオモチャだ」
「その永遠を終わらせる方法があるんです!!」
恐怖に怯える青年の心。メイビスはそれをわかっていた。だからこそ、この提案を受け入れてほしかった。
「僕にもあるんだよ」
だが、ゼレフの決意した心が揺らぐことは決してなかった。
「ネオ・エクリプスという最善手が!!」
その直後、二人の体から強烈な光が放たれる。それと共に響き渡るメイビスの悲鳴。
「初代!!」
「妖精の心臓は僕がもらう!!」
メイビスの体に秘められた強大な魔力をゼレフが吸収しているのだ。それを見たナツは我慢できずに突進する。
「やめろぉ!!」
迫ってくる弟。ゼレフは彼を睨み付けると、魔力の圧力で押し返してしまう。
「ゼレ・・・フ」
「メイビス・・・」
魔力を吸い続けられているメイビス。彼女はかつて愛した青年を見上げ、青年もまた、彼女を見つめた。
「ネオ・エクリプスは人生をもう一度やり直せる魔法。僕は400年前の自分に戻る。
家族がいて、かわいい弟がいて・・・僕は不老不死になることもなく死を迎える。
もう一度君に出会うことができないのは残念だけど」
ネオ・エクリプスは時を巻き戻す魔法・・・いや、それに近い魔法とでもいうべきだろうか。全ての時をリセットし、術者だけがかつての記憶を引き継ぐ。もう二度と同じ世界が繰り返されることはない魔法。
「僕に会わなければ君はもっと幸せになれたはずだ。ごめんね、メイビス」
彼は心のどこかで彼女のことを気にかけていた。不老不死となり、少女の姿から成長できなくなってしまった彼女のことを。
「ゼ・・・レ・・・」
「でも約束するよ。今ほど力をつける前に・・・必ずアクノロギアを倒してみせる。そうだ!!ナツも一緒に戦ってくれる。人類の未
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