ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
1章 すべての始まり
7話 ボス攻略会議
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でも俺は、この世界でできた最初の友達を置いて、ここまで来た…!もしあいつが死んでいたら…っ!」
喉から絞り出すような声で、キリトはそう言った。
「…その人の名前は?」
「…クライン…」
彼の名前を口にした瞬間、再びの後悔が波のように押し寄せてくる。あの日、仲間を置いていけないといわれたとき、もっと別の行動があったのではないかと。だが…
「クラインさんなら、大丈夫。今も、といっても、5日前ぐらいぐらいまではちゃんと生きてたよ。仲間のリーダーとして、誰一人として死なせずに頑張ってレベル上げしてた」
「っ!?ほんとに!?」
「クラインさんが、元βテスターに助けてもらったって言ってたよ。それ、キリトだったんだね」
なぜだかわからないが、いつの間にか、キリトの頬には雫が伝っていた。次第に、嗚咽がこらえられなくなる。
「うっ…あ…」
「一人で抱え込んでつらかったね…」
自分でもわけのわからない涙を、キリトはただ流し続けていた。
あれから、キリトは泣き疲れて眠ってしまい、その体をベッドに横たわらせて、リアとツカサは農家の家を出た。
「いろいろと一人で抱え込みすぎてたんだろうな」
「そうだね…」
ツカサがぼそりというと、それにリアも相槌を打つ。
「あーあ、6年も見ないうちにずいぶん成長するもんだなぁ」
「いや、各言うリアだってずいぶん成長しただろ」
「まぁね」
リアはツカサの突込みにクスクスと笑った。だが、しばらくするとそれは真顔に変わる。
「でも、あんまりよくない事態にはなってきたね」
「ああ…」
はぁ、と2人のため息がシンクロする。
「一刻も早くこの城をクリアさせるには、内輪揉めなんてしてる場合じゃないのにな」
「キリトのことがばれたとき、キリトが責められるのも不本意だしね…」
2度目のため息も、誰の耳に届くわけでもなく、ただ仮想世界の空気を揺らしただけだった。
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