暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
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1章 すべての始まり
7話 ボス攻略会議
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は、一瞬にして理解ができた。βテスターたちが、チュートリアルが終わったすぐ後に姿を消したことはリアも知っている。もし彼らがリアやツカサのように、ニュービーたちのサポートに回っていたら、800人以上の死者は、もっと少なくなっていたのではないかと、キバオウはそう言いたいのだ。

 おそらくだが、その憎むべきβテスターの中に、リアとツカサは入っていないと思われる。だが、自分たちさえよければ、それでよいというわけにはいかないのだ。まだ本人の口から聞いたことはないが、キリトもβテスターの一人だろう。リアにとって大事な従弟が憎まれるということは、リアにとっても不本意なのだ。

「…キリトも、βテスターなんだよね?」
「ああ…」
「キバオウたちにばれてる?」
「それは…わからない。だが、可能性は十分ある」

 んん、とリアは声を出した。だいたい、お金やアイテムを譲ったところで、その人が返ってくるわけでもないし、第一、その譲った物を貰うのは生存している人で、亡くなった人ではない。そのうえ、お金やアイテムをすべて失ったβテスターが死んでしまったら、それは非βテスターの責任にもなる。矛盾だらけの持論だ。

 だが、そんなことを並べ立てたとしても、あのタイプの男は動かないだろう。

「姉さんとツカサさんが、始まりの街にいる人たちや、前線で戦っている人たちにもサポートしていることは俺の耳にも届いてるよ。…俺も、元βテスターとして、そうするべきだったのかって」

 前のめりになり、肘を膝の上に置いて組んだ手を見つめるキリトには、迷いがある。あの時、あの街に残って、レクチャーをするべきだったのか。または、大勢は無理でも、クラインと、その仲間のために動くべきだったのか…

 しかし、
「うにゅっ」

 そんな思考がぐるぐると回っているとき、むぎゅっと両頬の肉が、細い指によって引っ張られ、キリトの口から奇声がもれた。

「ひぇーしゃん(姉さん)!」

 と、キリトは抗議の声を漏らすが…

「そんなに、悩まなくていいんだよ」

「え…」

 頬から手が離れ、キリトはつままれた部分を手で押さえながら、リアを見つめる。リアは、すべてを包み込むような、まるで聖母マリアのような微笑みを浮かべていた。


「今の日本にいて命が脅かされるなんて、ほとんどないんだから、自分を一番に大切にするのは一番自然なことだよ。逆に私たちのようなほうが異常だと思う」

 リアの手が、そっとキリトの髪を撫でた。

「もしキリトが元βテスターってことがばれたとしても、私が絶対に何とかする。だからね、キリト。たとえ元βテスターだとしても、みんなを置いて行ってしまったとしても、胸を張って生きていいんだよ。生きる権利は誰にでもあるんだから」

「でも、
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