ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
1章 すべての始まり
7話 ボス攻略会議
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かないだろう。自分たちがリアとツカサだということをいえば、恐らく一発でレイドには入れてもらえるだろうが、自分たちの正体はまだ明かすべき時ではないと感じるのだ。
「ちょうどよかった。今1人だけ余ってしまっている人がいて、どうしようかと思っていたんだ。ええっと、ああ、あの片手剣使いの」
彼の視線の先には、あれからも何回か会い、2日に一回は必ずメッセージを送りあうプレイヤー…リアの現実世界での従弟こと、キリトが街へと消えていくところだった。
「あ、わかりました。ボスの詳しいことは彼から聞きますね」
「ああ、必ずボス戦には来てくれよな」
「はい」
白い歯を見せ、まぶしい笑顔でリアに笑いかける。が、リアはひとかけらの感情も外に出さない返事をすると、さっさとキリトが消えたほうへと歩いて行ってしまい、ツカサも慌ててそのあとを追った。
「というわけで、ボス戦のパーティーに入ることになったの」
リアは、攻略会議のことを知らなくて、あとからリーダーらしき人に頼んでキリトと同じパーティーに入れてもらったことを簡単に説明した。
「基本はソロだから一人でもいいとか思ったけど、姉さんたちがいるなら心強いよ」
キリトはそういって、部屋の隅に置いてある大型ピッチャーからグラスにミルクを注ぎ、リアとツカサの前に置いた。
ここは現在キリトが借りている宿屋である。トールバーナの東側に広がる小さな牧草地沿いに存在し、その敷地はかなり広い。その農家の2階が宿屋として借りられるのだが、驚く程条件がいい。ミルク飲み放題に、ベッドは広くて眺めも良く、なおかつ、普通の宿屋にはない風呂までついているのである。それで、たったの80コルは安すぎるだろう。
「…で?攻略会議で何があったの?」
「…はぁ」
キリトに話しかけたときからの違和感。そして、アルゴの言葉。何か起こったことには間違いないのだ。だが、いったいボス攻略会議で何が…?
キリトはグラスに入っていたミルクを飲み干し、おかわりを注いでから、リアとツカサの前に座った。
「姉さんとツカサさんは、キバオウってプレイヤー、知ってるか?」
リアの頭に、一人の男性プレイヤーの顔が浮かぶ。まるでいがぐりのようなあの髪型に、大阪弁は、忘れたくても忘れられないほどのインパクトがある。最初のころは、あまりリアと一緒にサポートに回っていなかったツカサさえもわかっているようだ。
「知ってるよ。あの人がどうかしたの?」
「…どうやら、あの人はβテスターを憎んでるらしい。今まで稼いだコルやアイテムを全部出して土下座しろと」
「ああ、なーるほどね…」
「まあ、あの性格なら予想はつくな」
リアとツカサは納得の表情を浮かべた。彼が言いたいこと
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